うさこマイペース

アンという名の少女 シーズン1のうさこマイペースのレビュー・感想・評価

1.0
10代の頃から、何度も原作を読んで、アニメも見て、映画も見て、原書も読んだ「赤毛のアン」のファンです。楽しみにして見始めたけれど、あまりにも原作を変えすぎて、戸惑っています。

高い評価が多いので、作品としては面白いものになったのだろうなとは理解できるけれど、原作本来の一番良い部分が失われているように思います。imbdでも高い評価はあるけれど、原作のファンからは失望の声も多いようです。

例えば度々入るアンの過去。原作では、アンはさらっとしか話しません。そして「ハモンドさんやトーマスさんは優しくしてくれたの?」という問いに「うーん」と口ごもり「きっとそうするつもりだったのよ。酔っぱらいの夫がいたり、双子が続けて3組生まれたりしたら、そうするつもりでもできないことってあるでしょう」とだけいうのです。

マリラは「洞察力のある賢い女性」なので、彼女がどんなにつらい人生を送ってきたか、グリーンゲイブルズに引き取られることが決まってどんなに喜んだかを、一瞬にして察し、引き取る決心をするのですが…。

ネット配信ドラマだし、ドラマチックにしないと視聴者を引き付けられないのかもしれないですね。「ブローチ騒動で、楽しみにしていたアイスクリームをもう少しで食べられないところだった」とか「友だちにイチゴ水を勧めるつもりがワインを飲ませてしまった」とか「挑戦ゲームで屋根の上を歩いたら、落ちて足を骨折した」といった、小さな出来事しか起きないんですから。でもその小さな出来事が、アンやマリラ、マシューの心をどんなに揺さぶったか、がこの小説の肝なんですよね。このドラマシリーズではモンゴメリーが大切にした心の機微や想像力の余地が失われているようで残念でした。