MIDORI

LAW & ORDER: 性犯罪特捜班 シーズン22のMIDORIのレビュー・感想・評価

4.0
まだ一話しか観てないので、全て見終わったら追記しますが…このシーズンの第一話は今のアメリカを象徴するストーリーになっていて、これまでその時代、時代を反映してきたSVUだからこそのエピソードでした。

記念すべきシーズン22初回はBLM運動によって、人々が警察に対して不信感を持っている時期に起きた事件によって、誰にとっても良いとは言えない結果となりました。誤認逮捕、人種間の摩擦、世間の警察や法執行機関に対する目。この初回エピソードを見て思ったことは、正直BLM運動をしてもアメリカで差別は無くならないだろうなということ。声を上げることはとても大事だし、声を上げなければ現状のままが正解となってしまうため、BLM運動をすることはとても大切ですが、その結果アメリカで差別は無くなったのか?いえ、無くなっていません。同じ街に住む同年代の子でも自分の肌が白いか黒いか黄色いかで見える世界が全く異なり、その長年の無意識な偏見というのは、一時的な運動では消えないし、その運動によって人々が団結したことは人種間の差別を無くすことではなく、警官や法執行機関を罰することであって、結局は有色人種に対する国民一人一人の偏見というのは何一つ変わってないのです。そうやって起きた一つ一つの偏見が、被害者のアジア人、誤認逮捕された黒人、世間から嫌われた警察を利用して罪を逃れた白人、そして世間の反発と被害者の狭間で揺れる警察など…誰にとっても良い結果となりませんでした。最初の場面で騒いでた黒人の人を誤認逮捕してその人から訴えられたものの、その黒人を逮捕しなければ「BLMで黒人を優遇した!」と他の人種に騒がれていたはずで、警察側は何をやったとしても批判されたはず。何を選択したとしても批判に晒されるし、本当に難しい時代になったと思います。

MeToo運動やBLM運動など、時代の流れとともに変わりゆくSVUがだいすきです。今回から警視もオープニングに加わり、オリビアたちの監督としてどう動くのか、そして新人キャットがどう成長していくのかも楽しみです。

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2021/9/3 シーズンフィナーレ鑑賞終了

今シーズンは各キャラクターの周辺で起きる事件がとにかく多かった印象です。12話「コロナ禍の窮地」に関しては、SVU全く関係ありませんが、リアルなアメリカの話ということで、今回盛り込まれたのかなと思いました。

それから、なんといってもエリオット再登場です。シーズン12で突然SVUを去っていったエリオット。最初のパートナーであり、カッとなりやすいエリオットと冷静なオリヴィアのコンビは名コンビでした。冷静なオリヴィアも母のレイプ事件の話では毎回取り乱してしまいますが、そんな彼女を支えていたのはエリオットで、オリヴィアにとって特別なパートナーだったことは間違いありません。突然去ったエリオットが今度は突然現れたことで動揺するオリヴィアでしたが、エリオットを支えられるのはオリヴィアしかおらず、また友人関係を築いていきます。

SVUに対して好意的なガーランド警視正は、SVUを守るために戦った結果、警察内で孤立するはめに。指揮系統重視のアメリカ社会だからこそ、上司の命令は絶対なので、それが部下を守るためであっても上司の意向に沿わなければ一気に敵になります。最後のシーンの疲れきったガーランド警視正の姿がとても心配で…次のシーズンでいきなり悲しいことが起こらないよう祈るのみです。

オリヴィア×エリオット以外で良かった、シーズンフィナーレの二人といえばあの二人です(笑)長いことSVUを観ている人ならずっとモヤモヤしていたはずですが、思わずニヤけるラストのでぜひ見てほしいです。
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