このレビューはネタバレを含みます
今期、とても楽しませてもらったドラマがどちらも終わってしまった…寂しい。とっても寂しい。
ひとつは「獣になれない私たち」、もうひとつはこの作品。それぞれの中盤あたりから、けもなれと今作が表裏一体のように見えてきて。伝え方は180度違えど、どちらも今の現代人に必要なドラマだと強く思った。どちらも、人は自分にしかなれないこと、生きていくことは苦しいこと、でもなんとか生きていかなければならないこと、「誰か」となら生きていけること…を、あまりに真摯に描いた作品だと思う。大好き。
最終回前話、樫野木先生の心の叫びに震えたし、それを聞く相河先生の傷ついた表情に胸が痛かった。どちらの気持ちも、痛いほどに伝わってきた。
私たちはどうあがいても「私」にしかなれないし、相河先生の言うように、自分と仲良くやっていかなくちゃいけない。
『西の魔女が死んだ』のおばあちゃんの台詞が脳裏をよぎった。白くまが北極で生きることを選んだからといって、誰が白くまを責めますか。
このドラマで描かれる世界は、あまりにあったかくて優しくて、一見、現実とはかけはなれたものに見えるかもしれない(とくに学生の私にとって大学の諸々の描写には正直違和感もあるので…笑)。でもなぁ。それはそれで良いやと思えるくらい「光」に溢れたドラマだったなあ。よかったなあ。
人は一人では生きていなくて。今まで出会った人、もの、こと、あらゆることが自分を形作っていて。辛いことも悲しいことも、全部ぜんぶ「光」で包んで生きていく。
個人的に、水本先生の元彼も模索しながら生きているんだってさりげなく描いてくれて嬉しかった。彼の最後の登場、嬉しくってとてもにこにこした。
悪者が一人もいない世界。でも「正しい」人も誰一人いない世界。やさしくて、まさに全てを「光」で包み込む、大好きな世界でした。3ヶ月間、ほんとうにありがとう。けもなれと今作が同じクールで放送されたこと、これも奇跡だなあ。