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しゃぼん玉のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

しゃぼん玉(1991年製作のドラマ)
4.6
権力を嫌い、弱い立場の人間に愛情を注ぐ元ゴロツキの医師、ポー(長渕剛)。西新宿に診療所を構え、街の人々の診療や弟分のジョージ(宮川一朗太)やサブ(哀川翔)の面倒をみつつ過ごしていたが、「西新宿再開発計画」と称した滝口地所(暴力団・銀龍会)による卑劣な地上げが横行し始め、診療所のあるビルもターゲットになっていた。バーリントン証券に属するフリーディーラー朝倉(石田純一)を交えた西新宿再開発計画。すべては自民党総裁選に再選するための資金作りに南条(山村聡)が仕掛けた計画であった。銀龍会によって親代わりの辻岩男(岡田英次)など大事な人を傷つけられ、西新宿を愛するポーは行き場のない人々や仲間の為に「権力」に立ち向かう。
長渕剛が、当初は「西新宿の親父の歌」に登場する親父を主人公にしたドラマの原案を考えている中で、バブルに浮かれ利益追求に狂奔する日本人に対する怒りを込めたヒューマンドラマの原案を考え、脚本家がシナリオに仕上げたもの。
黒土三男が脚本ではないせいか、やや劇画的な荒っぽい仕上がりだが、ポーと朝倉の生き方の違う者同士の対立と友情は見応えあったし、最終回でポーが南条と対決するシーンでは日本の高度成長を支えた経済優先の考え方に鋭い異議申し立てを突き付ける名シーンで話題になったヒューマンドラマ。
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