茶一郎

ウエストワールド<ファースト・シーズン>の茶一郎のレビュー・感想・評価

4.6
【短】クリストファー・ノーランの弟ジョナサン・ノーランによる1973年の同名映画のドラマ化。未来の技術により西部劇を完璧に体験することのできるテーマパーク「ウエスト・ワールド」が完成し、客たちはそこで自らの欲望を自由に発散していたが、ある日、園内の西部劇の人々に扮したアンドロイドが世界に対して疑問を持ち始めた。

一見、西部劇を舞台にした『ブレードランナー』といった具合ですが、これが非常に上手い。正統派で古典的な西部劇パートと、それこそ『ブレードランナー』的なアンドロイド反乱パートを交互に見せることによって全く違うはずのビジュアルが次第に話を重なるごとにマッチしていく様が爽快なのです。究極のメタホラー映画『キャビン』の西部劇版と言えるかもしれません。
また最近では、ドラマ『ゴッドレス』など父権的な西部劇の舞台で女性が闘う物語も増えましたが、今作もその系譜と言えると思います。
ノーラン作品らしいインテリジェンスで狂った世界観設定が明確になった以後はやや中だるみをしますが、後半は『エクスマキナ』から飛び出したような女性アンドロイドが男の舞台=西部劇を掻き乱す、その様に惚れます。
茶一郎

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