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ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記のとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.0
合言葉は→「冬来たる」玉座、ここでは誰もが過酷な選択を迫られ多くを失いそれでも前に進むことを余儀無くされ成長していく、その記録。まさしく伝説の始まりに相応しい。人間元来の感情・習性に根付く下世話背徳(こういう露骨な表現に嫌悪感を覚える人も一定数いそうなのに、それでも本作がここまで世界的社会現象になることを考えると考えてみたくなるスゴさたるや!)。特にピーター・ディンクレイジが格好良くて枯れが出てくるシーンはすべて面白い。普段は映画で死に役ばかりなショーン・ビーンも勿論いい。渋い貫禄。またここから人気に火が点いていく役者も多い(ex.リチャード・マッデン、ソフィア・ターナー、エミリア・クラーク、ジェイソン・モモア...)。それだけ皆全体的に役者の演技のレベルが高いということ!テレビの枠組みや社会通念なんてものはとうの昔に追いやって野蛮で下品で面食らう。欲望に忠実で政治的で、それぞれ複雑に絡み合う思惑や私利私欲、恨み辛み。同じ登場人物でもその時々で対面する人によって変わるものがあって、それら様々な関係性が多数入り乱れるキャラクター達に深みも厚みももたらすし生き生きしてくる。時に背筋が凍るように怖くてそれでも気になる気になる、ストイックに荘厳に風呂敷を広げる。扱われるテーマ話題も親族、世継ぎ、権力闘争・利権関係からセクシャルなことまで古来から古今東西語り尽くされてきた普遍的なもの。様々な要素を幾重にも内包した歴史モノかつファンタジー、衣装やら美術やら色々なスタッフの仕事も凄い。と、まぁとにかく深い深すぎるのだ、何度もの鑑賞にも耐えうりそうなほどに身ぐるみ剥がされ裸一貫決死の闘いに挑んでいく。スター・ウォーズのような無・多国籍感にエスニックな雑多煮、『ロード・オブ・ザ・リング』等のファンタジー好きも、『進撃の巨人』や『キングダム』等のマンガ好きも、韓国等のドロドロ宮廷ドラマ好きも、もちろんエロ好きも。多分みんなが強烈にハマるほどは正直ハマっていないけどそれでも続きを見たくなるのは確かだし、最後は鳥肌。女性が強い。日本のポスターもれなくダサいけどサブタイはいい。ラニスター家は借りを返す。
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