ここまでの物語の積み重ねが「何も信用出来ない、誰も信用出来ない」という状況を常に保ち続け鑑賞中は落ち着く事が出来ない。
行く先々で親類の死去に辿り着く死神アリアと成り行きで保護する立場となったハウンド、「皆の母親」を突き詰めていくデナーリス、完全に心が折れたシオン、組織の嫌な所を集約したストレスフルな環境で頑張るジョンと今シーズンも満遍なく大活躍と変化で楽しませてくれる群像劇の中でも一際輝いていたのは我らが子鬼さんティリオン・ラニスターだ。
「もうコイツを誰か殺してしまえ！！」とヘイトを貯めに貯めてのEP2から始まるティリオンのドラマに心を鷲掴みにされた。
不遇の弟を愛する兄との兄弟愛がわかる塀の中での会話も、かつての様に愛に裏切られ人生全てを呪う裁判での演説も、「あ、もうダメだこりゃ」と呆然とする様も、父との決別も何もかもが素晴らしかった。
丸々1話を使って鴉達の戦いを描くEP9も、前述の心震える演説で締めるEP6も良かったが個人的ベストはEP8だ。
いや、こんなに胸糞悪く救いようがない事を前シーズンから間を空けずにかましてくるなんて…製作陣の性格の悪さがこれでもかと詰まってる最高の展開、演出だった。
もう下手に誰かを好きになる事なんて出来ませんよ。「このキャラクターいいな…」と思えば思うほど傷付く、本当に恐ろしい作品ですよ…。
群衆戦やスタニス軍の描写には心踊る物があったので、やはり予算はあればあるだけ良いと思います。
