はちみつちゃ

オリーヴ・キタリッジのはちみつちゃのレビュー・感想・評価

オリーヴ・キタリッジ(2014年製作のドラマ)
5.0
スコア5です!
ただもしかすると若いうちに観たらスコア3位であったかもしれない。

主人公は偏屈なオバサン…環境にも恵まれているというのに文句ばかり。行儀も性格も良くはない。
共感も憧れも感動もないと思われる人物が主人公なのにどうしたことか、物語が進むほど味が出てくる不思議なドラマでした。

原作はエリザベス・ストラウトの『オリーヴ・キタリッジの生活』

ドラマは一話が約1時間で4話完結。
このバランスも良かった。
以下はアマプラのあらすじで紹介されている範囲のネタバレを含みます。

1話 薬局
主人公オリーヴと夫を中心に登場人物の紹介も兼ねた話。
息子とそのクラスメイト、さらに同僚との関係性は伏線も含んでおり、彼らの言葉がのちのち思いだされる。

2話 上げ潮
子どもが成人を済ませ、クラスメイトが地元へ帰省してくる。このクラスメイトは1話にも登場した人物で、幼少期から問題を抱えている。この人物と息子が話の軸。

3話 別の道
オリーヴと夫のヘンリーは仲はあまり良くないながらも共に生活をしている。
そんな日々に突然トラブルが発生する。
共に歩んできたというのにこのトラブルは夫婦の間にさざ波を起こす。
ところで、この第3話の中ではかつて薬局を開いていた場所が今やチェーンストアとなり、そこである夫婦と行き合う。ヘンリーはいつも通り親切に会話をするのであった。

4話 セキュリティ
オリーヴがニューヨークで暮らす息子の元へ旅をする。そこではカウンセリングを受けているという息子から過去の遺恨を明かされる。
そして大きな出来事が起こる。
最終話は第1話の場面へと一旦終着したかのように見えた。しかし…。
「大人」と一括りにするにはあまりにも成熟された境地であり、理解した気になれてもやはり自分にとっては未知ということもあり感想の抱き方が分からない。
ただ、こういったラストであったのは良かった。


最後に。
俳優陣がベテラン揃いで、演技が静かで示唆に富んでいる。

フランシス・マクドーマンド演じるオリーヴは偏屈さが尋常ではないのだが、そこがはじめは気になるのに最後には「人間このくらいでいいんじゃないか」と気楽な気持ちになる。

夫ヘンリー役のリチャード・ジェンキンスは紳士的で温和で社交的という文句のないような夫を機微たっぷりに演じている。

成人期の息子役はジョン・ギャラガー・Jr
彼の持つ雰囲気の良さはどこからくるのだろうか。しっかり自立しながらもお坊ちゃま感が隠せないのだ。そこがオリーヴの愛する息子なのだということを裏付けるかのようだ。

最終話には(?)ビル・マーレイが登場!

2020/05/04加筆
早川書房の翻訳された原作を読みました。
これまた面白い。
本には本の良さがあるが、このドラマを見ていたので「ドラマでのあの時のこの人の背景にはこんな過去があったのか…」と両方が相乗効果で物語を肉づけしてくれた。
ただやはり原作もある程度の年齢までいかないと面白くも何ともないかもしれない。もちろんそれは全く悪いことではない。