かず

カウンターパート/暗躍する分身 シーズン1のかずのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

スターチャンネル EXで観賞。

スパイ× ドッペルゲンガーのSFスパイドラマ。

ドッペルゲンガー、および2つのマルチバースの戦いという設定を的確に示す囲碁の比喩が巧い。
設定からしておもしろいのだが、なによりも驚いたのは、作中の他世界ではインフルエンザ・パンデミックで世界人口の7%の約5億人が死んでしまったという設定。

シンプルに、両世界の諜報合戦がおもしろい。他世界の同一人物になりすましてスパイとして潜入したり、潜入したスパイを暴いたりするスリリングな展開は、『裏切りのサーカス』的で楽しい。
加えて、ドッペルゲンガーという設定により、あり得たかもしれない理想の自分の姿や自分にとって理想的な他者(理想の恋人像、友人像)を求めてしまう人間のエゴをシニカルにかつ切なさを交えて描く点や、これまで知らなかった他者の裏の顔が明らかになる展開もおもしろい。
改めて、人間は、現状に満足することを知らずに無いもの・足りないものに目がいく生き物で、他者や自分の中に自らの理想や望みを投影し見たいものを見る生き物なのだな。
かず

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