きみどり

ウルフ・ホールのきみどりのレビュー・感想・評価

ウルフ・ホール(2015年製作のドラマ)
5.0
良い。とても良い。

原作を読んで感じた16世期イギリスの血なまぐさい雰囲気が損なわれていない。
配役も絶妙。スターになる前のトム・ホランドとトーマス・サングスターが、クロムウェルの息子と養子の役で出ている。

とはいえ白眉はアン・ブーリンを演じるクレア・フォイに尽きる。斬首の場面には圧倒された。

原作小説の続編『罪人を召し出せ』までで一つの物語になっている。三部作まで揃えてドラマにしたらいいのに…なんて思ったけれど、最後のシーン、ヘンリー八世がクロムウェルを抱き寄せるあの場面で、皆が史実として知っているその後が容易に想像できるから、なにも説明することはない。

操りやすい独裁者に仕えることの危うさ。首を刃の下に差し出しつつ権力を握ること。昔の政治家は文字通り命がけだったなと思う。
きみどり

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