かずや

ボクらを見る目のかずやのネタバレレビュー・内容・結末

ボクらを見る目(2019年製作のドラマ)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

もしもこれがフィクション作品なら、
中2,3の子供を警官が殴って蹴って怒鳴りつけて、挙げ句の果てに子供の父親さえも無罪の息子に罪を認めろと怒鳴りつける、などというのは現実的にありえないと思うだろう。

しかし、これは全て事実だ。

冤罪を受けるだけでなく、刑務所に入ると「かの有名なセントラルパークファイブ」と言われて集団リンチにあい、仮釈放の審査面接では犯していない罪を認めるように強要され、刑期を終えて出所後も周囲からは性犯罪者扱いを受け仕事は見つからない。
冤罪被害者やその家族のその後の人生への負の影響が丁寧に描かれている分キツい。

このように、単なるひどい冤罪事件としてではなく、誠実に細部まで目が行き届いているのが素晴らしい。

また、検察官や警官個々人を断罪するのではなく、簡単に冤罪を生んでしまう現代の司法システムの脆弱性を提示するフェアさと視野の広さも素晴らしい。

少し美談っぽい終わりだが、彼ら5人が受けた仕打ちを考えると、これくらいのエンディングじゃないと辛すぎるので、そこはバランスが取れているようにも思う。

ショーランナーのエヴァ・デュヴァネイは、ドキュメンタリー『憲法修正第13条』の監督でもある。
今後、確実にショーレースに絡んでくる注目の映像作家だ。

Netflixにある本作に関するオプラ・ウィンフリーのトーク番組は必見!
「なぜタイトルを原作となった書籍のタイトル『セントラルパーク・ファイブ』のままにしなかったのか」という質問に対するエヴァ・デュヴァネイの回答は、彼女の映像作家としての腕の確かさと信頼性の高さを的確に表しているように思う。

「セントラルパークファイブは、マスコミや警察や検察が付けたもので、その呼び名からは冤罪被害者5名個々人やその家族が見えてこない。彼らは生身の人間で、その呼び名は彼らを非人間化した名称だからだ。」

もはや彼らは「Central Park five」ではなく「Exonerated five(無罪の5人)」だ。


本作の内容からズレるが、
14,15歳の少年たち全員を死刑にしろとわざわざテレビで言ったり新聞広告を出したりするトランプはマジでやばい奴だろ。
よく大統領になれたな。トランプに投票した大衆の無知も恐ろしい。