ジャッカロープ

Go Ape ゴー・エイプのジャッカロープのネタバレレビュー・内容・結末

Go Ape ゴー・エイプ(2009年製作のドラマ)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

三人の学生から親父狩りにあった冴えないサラリーマン岸谷五朗がぶちギレて復讐を始める。しかし、親父狩りの最後の一人城田優は岸谷に手を出したわけでも、二人に指示を出したわけでもない。ただ見ていただけ……にも関わらず、岸谷は執拗に最後の一人を追い詰める。
俳優の演技は良く、ストーリーも悪くない。カメラワークと音楽には少し難ありだった。個人的にはかなり好きな映画だが特におすすめはしない。
顔がいいとか、親が金持ちとか、勉強ができるとか……それだけで腹が立つことあるじゃないですか。でも、腹が立とうが別にぶん殴ろうとは思わない。もっとも、相手をぶん殴っても許されそうな理由があれば別だ。「こっちが親父狩りに遭うのを黙って見ていた」というのは、冴えない男にとって十分にトリガーとなりうるものだったのだろう。
城田優が終盤に「俺のこと何にも知らないくせに」といった台詞を言うが、これが面白い。というのも、城田の事情なんか岸谷はどうだっていいのだ。恵まれた学生の寂しい家庭内の事情なんて、長年孤独に働いてバカにされ続けたサラリーマンからしたら悩むのもバカらしい、下らない悩みだ。二人は現状理解しあうことはない。
本作はまとめると長年辛苦を味わい限界に達しつつある冴えないサラリーマンと親に圧迫されて非行に走りつつあるエリート学生の喧嘩だ。喧嘩のきっかけは親父狩りだったが、本質はサラリーマンがほぼ無敵の人に近い精神であり、学生がサラリーマンを見下していたことである。
エリート学生は将来は有望であるが、現在はただの学生であり何者でもない。何者にもなれなかったサラリーマンは、自分と同じく何者でもない立場にある学生に見下される謂われなどないのだ。
そして二人は喧嘩をするのだが、これは要は劇中でも言っていた通り、子供の喧嘩であって同レベルの戦いだった。
最後の勝利をもたらしたのはきっと長年の仕事に耐え粘り強くなったことが影響したんだろうなぁ。
ちなみに、最後のチンパンジーについてはオチとして皮肉ったのだろうが、ストーリーの本質を捉えた感じもないし、唐突すぎるし、非現実的に傍観していた警察がアホ臭そうに動き出す、くらいで十分だったと思う。