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ビッグ・リトル・ライズ<シーズン1>のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

5.0
『セックス・アンド・ザ・シティ』(1998年-2004年)や『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011年-)などテレビドラマ界に数々の名作を生み出してきた放送局、HBO(Home Box Office)。そのHBOが生み出した新たなヒット作が『ビッグ・リトル・ライズ』。 オーストラリアの人気作家リアーン・モリアーティの小説『ささやかで大きな嘘(原題 Big Little Lies)』(2016年)をもとに、『ダラス・バイヤーズ・クラブ』(2014年)『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(2017年)のジャン=マルク・ヴァレがメガホンをとった。また、脚本を書いたのは『アリーmyラブ』(1997年-2002年)『ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル』(1997年-2004年)などを世に送り出してきたベテランプロデューサー、デイビット・E・ケリー。 豪華なスタッフと俳優陣を迎えて制作された本作だが、とりわけ主演のニコール・キッドマンとリース・ウィザースプーンは制作指揮にも参加しているので、相当の自信作。実際に第69回エミー賞で8冠、第70回ゴールデン・グローブ賞で4冠という快挙を成し遂げている。
舞台はカリフォルニア州はモントレーの高級住宅街。セレブの子供たちが通う小学校のチャリティイベントで殺人事件が起こる。誰が殺したのかも、誰が殺されたのかもわからない状況で、物語は数ヶ月前に遡る。 すべての始まりは子供のいじめをめぐるママ友間の対立。キャリアウーマンな超セレブ、レナータ(ローラ・ダーン)の娘アナベラがシングルマザーで非セレブのジェーン(シャイリーン・ウッドリー)の息子ジギーにいじめられたと言ったことがきっかけ。ジェーンの友人であるマデリン(リース・ウィーザースプーン)とセレステ(ニコール・キッドマン)はいじめの原因を決めつけるレナータに反対する。些細ないがみ合いが積み重なって、レナータ派とマデリン派で対立する羽目に。 ママ友の対立がある一方で、ひとりひとりが何かしらの悩みや問題を抱えていることも浮き彫りになっていく。DV夫、不倫、別れた夫との関係や複雑な親子関係……。 セレブたちの華やかな生活に隠された裏の顔を暴きながら、殺人事件の真相に迫っていくミステリアスなストーリー。
マデリンは、世話焼きでママ友の間で人気があるが、反抗的な娘アビゲイルとの関係に悩んでいる。セレステは、元弁護士で夫ベリーに尽くす貞淑な妻だが、妻セレステを愛し過ぎて束縛し過ぎ時に暴力を振るう夫ベリーとの関係、心の中に燻っている弁護士に復職したい思いに悩んでいる。ジェーンは、息子ジギーがいじめの加害者と疑われ、ジギーの父親のことで秘密を抱えている。さらに、レナータが、マデリンが支援している舞台の内容が不道徳と市長に公演中止を陳情し、調停が始まり、マデリンのためにセレステが弁護士として手を貸し、セレステは弁護士復職への思いが高まり、マデリンが支援している舞台の公演中止にマデリンの友人ボニーがレナータに賛成したことからマデリンとボニーの関係が、こじれる。セレステは、夫ベリーとの関係を相談するために、カウンセリングを受けるけど、夫ベリーが弁護士復職に賛成しなかったり暴力的な愛し方をすることをDVと認めることが出来ない。ジェーンは、息子ジギーの父親のことで過去に苛まれている。マデリンの元夫ネイサンと現夫エドは、価値観の違いと嫉妬から憎しみ合っている。マデリンと舞台監督ジョセフとの間にある秘密の関係。
それらが集約して起きる学校のチャリティー行事で起きる殺人事件、アマベラをいじめていたのは誰か、真相が明らかになる最終回は衝撃の連続だし、リース・ウィーザースプーンやニコール・キッドマンやシャイリーン・ウッドリーやローラ・ダーンの演技派女優のアンサンブル、ママ友同士のマウンティングや友情や夫が妻の訴えや要求を知らず知らず軽んじて夫婦関係が悪化したり妻は夫の束縛的暴力的な愛し方を暴力となかなか認められないDV問題の難しさなどがリアルに描かれ、湊かなえや沼田まほかりのイヤミスが好きな人なら満足出来るサスペンスドラマ。
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