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坊っちゃんのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

坊っちゃん(2016年製作のドラマ)
5.0
親譲りの無鉄砲と真っ直ぐ過ぎる性格で、子供の時から問題ばかり起こし、周囲からいつも問題児として扱われてきた坊っちゃん(二宮和也)。
唯一、住み込みの女中・清(宮本信子)だけは立派な気性だと褒めてくれ、坊っちゃんのことを何かとかばってくれていた。 
物理学校を卒業した坊っちゃんは、校長(佐藤浩市)から松山の中学に教師の口があるが行かないかと勧められる。
鎌倉より遠くに行ったことがない江戸っ子の坊っちゃんだが、特に就職のあても無かったので松山に赴任することを決める。 
着任早々、校長(岸部一徳)から生徒の模範になるようにと言われ、模範とはどういうことが聞く。 校長の代わりに教頭(及川光博)が教えると「できません」と答えて、教師たちを唖然とさせる坊っちゃん。その場は収まり、同僚の数学教師(古田新太)が坊っちゃんの下宿先を世話してやると言う。離れた教頭の席では、画学教師(八嶋智人)が何やらコソコソ教頭と話していた。 
下宿先に向かう途中、坊っちゃんは同僚の英語教師(山本耕史)が町一番の美人・マドンナ(松下奈緒)と密かに思い合っていて、しかもその女性を教頭が狙っているという話を聞く。 
田舎にもいろいろとあるものだと思いつつ、いよいよ教べんを執ることになるも、生徒たちとは、とんとうまくいかない。 
団子屋で団子を2皿食べたこと、温泉で泳いだことが学校中に知れ渡り、生徒からからかわれる。 初めての宿直の夜には生徒たちから蚊帳の中にイナゴを入れられるというイタズラを受けた。 やった人間を問い詰めるも、認めようとしない。 
「人にも自分にも、嘘をつくのだけは、まっぴらごめんだ」 
やがて、赤シャツの卑劣なはかりごとを知り、ずるいことが許せない坊っちゃんの快刀乱麻な大暴れが学校を変えていく―。 
何度もドラマ化、映画化された夏目漱石の傑作小説が、主人公の坊っちゃん役に二宮和也を迎えてドラマ化。
無鉄砲で正義感の強い坊っちゃん役には、クールなイメージのある二宮和也はミスキャストかと思ったけど、二宮和也の中にある熱い部分や真っ直ぐな部分が上手く生かされた坊っちゃんになっていた。このドラマ版では、校長や教頭に「教師は生徒の模範にならなければならない」と言われて、坊っちゃんは「オレはそんな立派な人間ではないから出来ません」と言う。
最初の授業で生徒から問題を問われ、坊っちゃんは「今はわからないが、答えが分かったら教えてやる」と言う。教頭の赤シャツは表ではきれいごとを並べているけど、裏では狙っているマドンナをモノにするためにうらなりを陥れる。
学校も、校長や教頭の顔色を伺い生徒や同僚教師は忖度し、本音が言えない。
坊っちゃんは、わからないことはわからない、正しくないことは正しくないと本音を真っ直ぐ生徒や同僚教師にぶつけていく。
坊っちゃんの言動に影響されて、生徒や同僚教師が変わっていく変化も、しっかり描かれている。坊っちゃんと山嵐が、赤シャツを成敗するくだりもより真っ直ぐな痛快なアレンジがされ、より痛快な青春ドラマになっている。
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