なっこ

百年の花嫁のなっこのレビュー・感想・評価

百年の花嫁(2014年製作のドラマ)
2.9
瓜二つの人間が入れ替わる物語。

王子と乞食やふたりのロッテ、など昔話や童話にもよくあるお話のかたちで、そのふたりは双子であることもあるし全くの他人として描かれることもある。この物語では、イギョンとドゥリムは全くの他人。ひとりは超お嬢様でもうひとりはあてにしてたお金が入ってこなくて生活に困ってしまうほどの苦労人。性格も生い立ちも正反対なふたり。そんなふたりが花嫁の替え玉として入れ替わることから、互いに深く関わっていくことになる。

テヤングループという財閥の御曹司の婚約者を演じていくなかで、彼女の見かけは変わっても中身はそのまま。彼女の内面が彼を惹きつけていく。そんな展開は嫌いじゃない。用意された環境で人形のように振舞う姿は、マイフェアレディーや、プリティウーマンのようなヒロイン像にも近い。着せ替えられそれまでの環境から飛び出して別世界を生き始めるヒロイン。魔法使いが出てくる訳ではないけれど。彼女の味方か敵か分からない守護神が出てくる。彼女の存在がこの物語の主題であったように思う。

百年の花嫁というタイトルが示しているようにこれは、婚礼が女性にもたらす幸せと苦悩を描いている。花嫁となること、嫁ぐという行為は、百年経っても変わらぬ困難を孕んでいる。光と陰りをもたらす。真実の愛であればそれを乗り越えていける、そんな風に描いたつもりなのだろうが、どうだろう、

少し考えさせられた。
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