前半は日常系エピソードの寄せ集め、後半はとにかくロス&レイチェルの軋轢に割かれているとされるシーズン3。
思うに、長期にわたる連続ドラマは、日常回と、プロットを進ませる回に分かれている事が多い。特に壮大な話の骨子のようなものはない、そもそもが日常系ドラマの『フレンズ』にとって、強いて言えばロス&レイチェルの関係こそが全体を通じてのプロット、に近いものになっている。幸せ一杯だったシーズン2に比べると、シーズン3、レイチェルが職を見つけてからは、ロスが完全にmisogyny全開過ぎて不愉快というか、プロットを進めるための道化のような存在になり、レイチェルはレイチェルで鬼のように我儘になって、見ていて腹立たしい事この上ない。魅力的なキャラクターがプロットを進めるための傀儡へと化していく瞬間がここにある。ジョーイはアホっぽくなり、フィービーは不愉快に叫びまくり、チャンドラーはなんか、痩せて不健康になる。アヒルとヒヨコはなんの意味もないデバイスに過ぎない。モニカだけはなんとなく憎めないのは、あんまり変わらないからだろう。
それでも、まだ、シーズン3まではフレンズ6人の輝きが溢れている。