こゆるぎさん

ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウスのこゆるぎさんのレビュー・感想・評価

5.0
Netflix作品。ホラー映画史(ドラマだけど)に残るであろう傑作であり、優れたジャンル映画は人間の本質を問い、映画表現そのものを深化させるという好例。超オススメ。
昔、ある「恐ろしい家」に住んだ家族たちの、その後人生の苦しみや、後悔や、自分の心を守るための醜悪な利己心や、あるいは美しい希望を丹念に描き、「恐怖」とは何なのか?生と死とはいかなる様態のことをさすのか?という深いテーマに迫っている。
現在と過去を行き来する手法(特にEP6の超絶長まわしカットの衝撃)、前半の謎を折り返し地点で一気に明かしつつ、いちばん深い謎は最後に明らかになる。
「幽霊」は当然出てくる。もちろん霊は霊という'存在'だけど、同時に人間の心そのものを映した自分の影であり、また、生の世界と死の世界というのは当然厳然とあるのだが、同時にそれらは個々の中で、シームレスにつながっているものである。そういうことが丁寧に描かれている。
苦しい人生から覚めた夢があり、一方では、死という夢を拒絶して苦しい生を生きる。
生者の闇が死の世界を照らし、死者が生者を光のように照らす。そういうことだってあるのだ。
ラストにはいろいろな意見があるだろうけれど、すごく重い話だったし、僕は「こうじゃないと救われないよ」と思いました。