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MANIFEST/マニフェスト シーズン2のkuuのレビュー・感想・評価

3.8
『マニフェスト828便の謎』シーズン2
原題: Manifest.2
製作年2020年。
エピソード数 全13話。
ロバート・ゼメキス、ジャック・ラプケ、ジェフ・レークが、希望や愛情や運命が織りなす、想像もできないほどのミステリーを描くSFヒューマンドラマ。
『マニフェスト828便の謎』シーズン1に引き続き視聴。

2013年4月7日、ジャマイカからニューヨークに向かうモンテゴ航空828便は、途中で乱気流に巻き込まれるも、なんとかニューヨークに到着。
しかし、空港にはNSA(米国家安全保障局)が待ち構え、物々しい雰囲気が漂っていた。
数時間のフライトを終えたはずの191人の搭乗者に告げられたのは、彼らが5年半先の未来に到着したという事実だった。。。

今作の制作総指揮には、傑作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス監督が名を連ねている。
ゼメキスは“時空越えもの”のスペシャリストなだけではなく、家族愛や友情など普遍的なテーマを描く名匠といえるかな。
今作品シリーズも、SF設定ながらキャラの人生を深く描いたヒューマンドラマに仕上がっている。
正直、前作と比べ個人的には熱が下がった感はする。
退屈をしのぐために、SFの断片や驚くほど説得力のあるカウンターフックを入れて、飽きさせへんようにしてたんやけど。
でも、相変わらずキャラを好感の持てるモンにするための適切な作業と、途中のいくつかの説得力のあるひねりもあった。
第1シーズンは、キャラドラマに焦点を当て、アンサンブルを構築することで、進展のなさを主張することができたけど、第2シーズンは、そのような豪華なスケープゴートの陰に隠れることはないかな。
その代わり、ボトル・エピソード(廉価で、セット、エフェクト、キャストメンバーなどの使用が制限されるように設計されたテレビシリーズのエピソード)やソープ・オペラ・ドラマ、表面的な工夫が13話に盛り込まれ、第2シーズンはすぐにおなじみの領域に逆戻りしてしまったかな。
くわえて、登場人物に鎧を着せ、途中で1度ならず2度までも偽装死させているのは少々残念に感じた。
こないなことが積み重なって、最後にはまたしてもクリフハンガー(物事をぶら下げる特異なクライマックス・フィナーレに向かって構築されている)となり、サンクコスト(埋没費用。既に投資した事業から撤退しても回収できないコストのこと)の誤謬に乗っかって、3シーズン目を期待させることになるのはほぼ確実。
今シーズンでの物語の核心は、番組が一貫した敵役を決めるのに苦労しているため、いくつかの異なる形態をとっている。
第1シーズンは政府とその関与の可能性を扱っとったけど、今シーズンはエイドリアン率いる影のカルト集団が登場し、その人物像がより明らかになった。
主人公の一人がその宣伝に釣られて仲間に加わり、前半は最終的にストーン家に亀裂が入り、登場人物に真の結末がもたらされるかのような劇的な急展開が待っている。
てな感じで、いくつかの異なる敵対勢力が立ち上がり、登場と同時に消えていく様子が描かれる。
このドラマはSF的な要素とのバランスを取るのに苦労しており、SF的な要素はあるにはあるが、結局は本来の前提を崩している。
漠然としたスピリチュアルな匂いや、
『呼びかけ』についての矛盾したメッセージ、さらにはタロットカードや古い宗教も出てくるが、深く心に残るものはないかな中途半端やし。
シーズン2を通してのいくつかの重要なプロットとフィナーレでの2つの暴露を除いて、またもや、は最後に何が起こっているのか全く分からないまま終わってしまってる。
多くのキャラの問題も解決されておらず、828便に何が起こったのか、その真相に迫ることもなかった。
これら全てが組み合わさって、本当に何もないシーズンになってる。
約束のない空虚なシーズンであり、いかに多くの可能性がここで浪費されたかを補強するものでしかない。
もちろん、第1シーズンに嵌まったし、もっと同じようなものを、SFも少し入れて面白くしてほしいと云う面では、多少楽しむことができた。
この作品に続くカルト信者も出てくるし、それはそれでいいのだが、それを実現できたManifestはフェアプレーだと思う。
グレイスは今年、より好感の持てるキャラになってた。
一方、カルはより成長し、番組のシリアスなプロットに関与するようになってるが、ちょい幼児の可愛さがなくなってるかな。
また、巧みなエピソードもいくつかあり、途中には本当に驚くような展開もありました。
しかし、シーズン1、2合わせたエピソードを経ても、何の意味も見いだせない。
『LOST」でさえ、問題はあっても、途中で答えを散りばめていた。
今作品にはそれすらない。
まぁ謎を少しでも知りたいし、最終シーズン4のためにもシーズン3は観ようかな。

各エピソードのあらすじを抜粋しときます。
エピソード1。再出発 
上映時間42分。
ミカエラの勤めるに新しい署長が着任する。 ジークは 自分の行いにけじめをつけることに。 少佐はサンビを思い通りに操ろうと、彼女を欺き続けていた。。。

エピソード2。 行き場のない者たち
上映時間43分。
衝撃的な再会を果たした後、ペンは828便の乗客だった大学生に会いにいく。
一方、疎外感を募らせたオリーブは、ある団体に居場所を求める。。。

エピソード3。偽りの地平線
上映時間43分。
サンビは、研究のことが何者かによって少佐に漏れているとペンから聞く。一方ジャレッドは、 828便のアンチたちとつながりのある女性と知り合う。。。

エピソード4。ブラックボックス
上映時間43分。
同じ”呼びかけ”を見たミカエラとジークは、銀行強盗に遭遇するが、犯人は828便の乗客だった。
ペンとは、 "呼びかけ "で得た手がかりからその意味を導き出す。。。

エピソード5。調和飛行
上映時間42分。
アンチ828便の男たちによる暴力事件を目撃したオリーブは、ミカエラに情報を提供することに。 そんな中、ジークのある過去が明らかになる。。。

シーズン6。帰路
上映時間43分。
ペンとミカエラは、サンビが乗客の"余命”の克服方法を見つけるために危険な研究をしていたことを知る。
ジャレッドはアンチたちとの関係を深めていく。。。

シーズン7。非常口
上映時間43分。
教会のことでエイドリアンを問い詰めるペン。 そんな中、大勢の828便の乗客たちが同じ場所に居合わせるが、それぞれが偽りの名目で集められていた。。。

シーズン8。 飛行続行
上映時間43分。
ペンは“呼びかけに導かれ、禅センターへ。
オリーブはク ラブでの悲劇から気持ちの整理がつけられずにいたが、ペンと一緒に禅センターを訪れることに。。。

シーズン9 嵐
上映時間43分。
サンビが記憶障害に苦しんでいるのではないかと心配すあるジーク。
そんな中、"呼びかけにより、数百年前の出来事と828便の失踪に関係があると分かる。。。

シーズン10 コース逸脱
上映時間43分。
グレースが、"呼びかけによってある橋に導かれる。
そこには同じ”呼びかけ”を見たエイドリアンが。 さらに、エイドリアンとカルは不吉な3つの影を見る。。。

シーズン11 3つの影
上映時間43分。
ペンとTJが見た"呼びかけは、"余命わずかのジークにつながるものだった。
万引きをした少年を捕まえるミカエラだが、刑事として葛藤を味わうことに。。。

シーズン12。 コールサイン
上映時間43分。
少将の狙いを知るべく、パンスに助けを求めるサンビ。
ジェイス、ビート、コリーは、ミカエラに報復するために護送車からの脱走を企てていた。。。

シーズン13。 決死の覚悟
上映時間43分。
懸命にカルの捜索が行われるなか、ジークはカルの居場所を示す“呼びかけ”を見る。
それを頼りに、カルの無事を願う人々が危険を顧みず救出に乗り出す。。。
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