アンチヒーローの側の視点からスーパーヒーローを底知れぬ脅威、恐怖の対象として描き出し、スーパーヒーローとはいったい何なのかを突き詰めるドラマ。
ウォッチメンを2010年代末にアップデートする試みと言えなくもない気がする。とてつもないスーパーヒーローが現出すると、社会は否応なしに彼らに向き合うしかなくなる。本作ではスーパーマンなどが潜在的に持っている一般人から見た時の恐ろしさを第一話から突きつけまくっている。
仮に社会がスーパーヒーローを不要と決断した所で排除の方法がないのだ。
本作は持たざる者たちがヒーローに立ち向かうという、一見邪道のような構図だが、正面から逃げなしで王道としてそれを描き切ろうという製作者の気合のようなものを感じさせる。
ただ惜しむらくは、本作のヒーローはある規格内の存在に限定されており、クリプトン星からやってきた制御不能の怪物やDr.マンハッタンのような太陽の表面を歩く勢いの超規格外は出てきそうにないのが残念と言えなくもない。
