レトルトたなか

スタートレック:エンタープライズ シーズン4のレトルトたなかのレビュー・感想・評価

3.8
スタートレックENT S4めちゃくちゃおもしろくなってる!!!S3までが嘘みたいな素晴らしさ
TOSより前の時代として、優性人類やアンドロイドを描いているし、初遭遇の種族と後のシリーズの繋がりも配慮されてる

クリンゴンの特殊メイクの違いというメタ的なネタをストーリーに組み込んでエピソードを作ったり、アクションも敵と撃ち合う以外のワープした宇宙船間の移動とかスタートレックのギミック使ったものになってるのもいいな
S3までのバルカン人が差別とか戦争を企むとかなんかいまいちな種族として描写されてTOSと繋がらないと思ってたのもちゃんと解決される話があったのはここまで見ていて良かった


テラ・プライムのエピソードめちゃくちゃこの作品を統括してて素晴らしいな。宇宙進出を始めたばかりで異星人への敵対感情もあるからそういう集団がテロを企てるっていうのをS3のズィンディ攻撃による恐怖とも結びつけるし、異星人慣れしていなかったENTクルーの成長ともリンクしてる
宇宙人排斥の動きとかS3の事件を反映させたりしながらTOSに至るまで描いてるのいい感じ

地球人を取り調べる場面で「弁護士を呼んでくれ」って現代刑事ドラマと変わらない流れあるのは笑った

最後というだけあって、各クルーがちゃんと見せ場や始めの頃からの成長も描かれてるのがいい。メイウェザーがようやく家族以外のプライベート描かれるしパイロットとしても活躍するし、ホシは戦いに勇敢に飛び込む最初のメインエピソードからの成長もあるし、リードとセクション31との繋がりも見れた
最後のスピーチは作品を締めくくる(まだ1話あるけど)ところとしてまとめてるし、TOSのナレーションに繋がるところもあるし、前史を描いた作品としてはめちゃくちゃまとめ方いいのでは!?
テラ・プライムのエピソードが、ENTクルーが当初バルカン人のトゥポルに警戒してたりアーチャーは信用していなかったりとかがあった上でタッカーとの恋仲になったりというのがあるから、テラ・プライム側の主張に反対する理由になるし、惑星連邦設立前の地球のエピソードとしても良かったな
う~ん!それだけに最終回でタッカー死んでトゥポルとの未来がなくなったの残念。どうにかしてスポックの時代に影響するような出来事になるはずなのに


最終回はライカー副長出してこうまとめてくるのかという感じだけど、ENTからTNGというのも、ENTの中で10年経つのも、なんか時系列的に大分すっ飛ばされてるのが残念。ホロデッキで第三者視点でENTクルーを見てるライカー副長をテレビ越しに第三者視点で見る視聴者という複雑さ
ん!?タッカー少佐がああなるのは知ってたけど、こんな大した危機でもないところで死なせるの!?っていう死に方なのはシリーズ最終回でやることじゃないな…死ぬにしてももうちょいふさわしい危機や立ち回りを用意してあげて欲しい
エンタープライズのシェフという謎の人物扱いをホロデッキでこうして描いたのは良かった。
ENTがシリーズの前の歴史として描かれているからこそできるホロデッキでの観測設定だから最終回でいきなり惑星連邦設立まで飛んでしまうの残念

「最後のフロンティア」で始まる演説と歴代のエンタープライズの名前を冠する船を通してスタートレックと宇宙への探査の歴史描くのはシリーズものとしてめちゃくちゃ好きなやつ!となったのでS4で終わってしまったのは本当に残念だと思える作品にはなったな
あ!この最後のやつ、英語版だとエンタープライズ三船長が言ってるのか、これは英語でずっと見てたら感動が湧くやつか
それでもやはりENTのストーリーだから、ENTだけで終わらせて欲しかったのと最後の調印式メインで色々描いて欲しかった。時間冷戦もあっさり終わってたし
最後はTNGではなく、ENTとしてアーチャー船長の惑星連邦設立のスピーチで終わって欲しかったし、スピーチ聴きたかったし、そこの台詞でシリーズのとりあえずの終了を締めくくる名言になっただろうにな…
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