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アメリカを荒らす者たち シーズン1/ハノーバー高校 落書き事件簿 シーズン1のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.0
2016年3月15日、ハノーバー高校の教師専用駐車場に駐車してあった27台の車に男性性器の落書きが見つかった。この悪質ないたずらの容疑者として教育委員会はディラン・マクスウェル(ジミー・タトロ)を聴聞会に呼び、目撃者アレックス・トリンボリの証言や日頃のディランの素行を根拠に彼を退学処分にしてしまう。だがこの落書き事件への関与を否定しているディラン。状況証拠と目撃証言のみで無実を主張するディランの退学を決めた教育委員会。彼らのやり方に疑問を持った同高校の放送研究会に所属するピーター・マルドナード(タイラー・アルバレジ)とサム・エクランド(グリフィン・グラック)は事件の真相を究明するためAmerican Vandalという名のドキュメンタリー番組を制作し、事件の真相に迫る。
「ハノーバー高校落書き事件」という架空の事件を題材にしたモキュメンタリー。
YouTubeにくだらないいたずら動画をアップしたりしているディラン。ハノーバー高校の教師の車に落書きしている犯人の正体を証言したアレックス、ハノーバー高校で男子からモテモテでディランの彼女マッケンジー、学級委員長タイプのクリスタ。
ハノーバー高校落書き事件の関係者の表面的なイメージにより、評判が良くなったり悪くなったり、罪をきせられたりのがれられたり、事件の真相が明らかになる中で浮かび上がってくるのは、「人間の表面的な印象が評判の良し悪しを決める」「表面的な印象がいかに根拠がないか」。
事件の真相をドキュメンタリーを撮る中で究明しているはずのピーターとサムでさえ、評判や噂に左右されて、事件の真相が迷走しそうになる。そして関係者の隠された秘密が明らかになることが、関係者を必ずしも幸せにしないことも、ピーターたちは思い知る。
事件関係者のアリバイを知る手掛かりのソーシャルメディアでさえ、アリバイを偽装するために利用されることがある。
クライマックスで真相らしきものが分かっても、ピーターたちはスッキリ出来ない。
そのもやもやが、「真実というものがいかにあてにならないものか」がリアルに分かるモキュメンタリー映画。
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