ジェイコブ

The Tick/ティック~運命のスーパーヒーロー~ シーズン2のジェイコブのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

スーパーヒーローが実在する世界。地球最初のヒーローにして、スーパーヒーロー時代のきっかけとなった他の星から来た男、スーペリアン。彼は宿敵であり、アメリカを長年苦しめてきた、怪人テラーを倒し、人々に平和をもたらした。しかし、一部ではテラーは生きているのではないかと噂する者もいた。その一人が、スーパーヒーローヲタクで、会計士のアーサーだ。アーサーは鋭い分析力と卓越した推理力により、テラーが生きていることを確信していたが、姉のトッドを始め、家族や周りの人達はアーサーに精神疾患があると烙印を押していた。そんな中、アーサーは自分の住む街で大きな陰謀が動き始めている事に勘付き、独自で調査に乗り出す。夜の倉庫で見つからないように潜むアーサーのもとに現れたのは、全身青い姿の男ティックだった。ティックはアーサーをヒーローの同志であると思い、彼をスーパーヒーローになる運命にあると語り始める……。
アマゾン制作のヒーロー作品。同社制作の「ザ・ボーイズ」が完全なアンチヒーロー物であるとすれば、本作はヒーローとは正義と愛を尊ばなければならない事をコミカルに描いている。シーズン1は、なりたい自分の姿があるものの、恐れや周りの目を気にして行動できずにいた一般人の主人公アーサーが、相棒のティックとの出会いと活動を通して、一人のヒーローとして成長していく物語。シーズン2では、宿敵のテラーを倒し、一人前のヒーローとして認知されるようになったアーサーとティックが、ヒーロー機関イージスに所属するも、姉や仲間のオーバーキルとの関係に悩み、ヒーローとしての価値観を見つめ直していく物語だ。
作中には様々なオマージュがあり、中でも特筆すべきは、原作者が日本の特撮ヒーロー物好きなのは、所々で見て取れる事。例えば、テラーの乗るマシンや、イージスのヒーローチーム「フラッグ5」はスーパーヒーロー戦隊をモデルに描かれているのは明らかであり、イージスの制服はウルトラマンの地球防衛軍を模したものと分かる。そのため、日本の特撮物が好きな人もハマれる面白さがある。
また、アメコミからも、スーペリアンのスーパーマンがモデルであるのは間違いないだろうし、セージはMARVELのDr.ストレンジだろう(スーパー乳首の印象が強いが笑)。その他には、テラーがドラム叩くシーンはセッションだし、ゴム人間まで出てくる笑
シーズン2では、正義に生きてきたはずのスーペリアンがアンチに怒り、自分を見失っていく姿が描かれている。その姿は同じアマゾン制作の「ザ・ボーイズ」のホームランダーのよう笑
3がないのが非常に残念な作品。