NetflixMCU最高傑作。
デアデビル S2で初登場し「パニッシャー」となった男の「フランク・キャッスル」として歩んできた人生の全てと代償を描く。PTSDを真っ向からヒーロー物で描く姿勢も素晴らしい。
全てはメリーゴーランド以前、戦地に赴いた時から始まっていた。
家を無くしたのは「惨劇」ではなく「戦場」が家を変えてしまった。
俺は病人(PTSD)ではないと激昂していた男がそれを受け入れ、自覚し、真の「パニッシャー」となる12話が凄まじい。
それまで抑えられていた血肉吹き飛び真紅で染まるパニッシャーの戦闘が爆発するタメこそドラマシリーズとしての強みだろう。
血に塗れ空虚な笑顔と虚しい涙しか見せなかったデアデビル S2と違い、フランクとして接する家族(海兵隊)の前で見せる本当の笑顔と何気ない会話が暴力に深みを持たせる。
不殺を強いられるメタルギア的な潜入パートと爆発する11、12話の殺戮パートのどちらも最高だ。
PTSDに苦しみ今のアメリカのテロリズムを象徴する男も、フランクと鏡写しの様でまた違う狂気に取り憑かれている男も、どちらも作品とテーマを象徴する名ヴィランだった。
パニッシャーを代表するヴィラン(ジグソウ)となった彼の今後も楽しみ。
NetflixMCUは本家MCUから引き離されている方が面白い。
NYに穴が空き、空から宇宙人が攻めて来る。天才科学者が殺人ロボットを作り、国が1つ消える。そんな世界で戦争と喪失に悩まされ続ける男の闘いがもっと観たい。
