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BOSCH / ボッシュ シーズン6のShinMakitaのレビュー・感想・評価

BOSCH / ボッシュ シーズン6(2020年製作のドラマ)
2.4
「俺の道に車線なんか無い」

「法が駄目なら、正義の男が立ち上がる」



展望台で、射殺死体が見つかった。被害者はスタンリー・ケント。聖アガタ病院の核医学物理士だった。ケントの自宅を訪ねたボッシュは、拘束された姿の妻アリシアを発見する。犯人たちは彼女を人質にして、ケントを脅迫。病院からセシウムを盗み出させたのだ。犯人たちはそれを手に入れたためケントを処刑したらしい。アリシアの供述から、犯人たちがソブリンシチズン運動の自警団「308」のメンバーだと判明。テロ事件として捜査はFBIが主導権を握ることになるが、ボッシュは相棒エドガーと、独自に308の内偵を開始する。

308の広報担当だったトラビス・ストラウトが事件に関与しているとタレコミがあった。タレ込んだのは、FBIの情報屋クレイバー。そこでトラビスから事情を訊こうと自宅を訪ねたボッシュとFBIマクスウェル捜査官だったが、突如銃撃戦に発展、トラビスは死亡してしまう。現場からケントの車と凶器は見つかるが、セシウムはなく、テロ捜査は行き止まりになってしまった。さらにクレイバーの死体が見つかり、事件は混迷を極めていく。

トラビスの妻ヘザーを泳がせて監視を続けるボッシュ。彼女の親類である308メンバー・チャーリーを逮捕するが、彼もセシウムとは無関係だった。そんななか、ハリウッド署管内で被爆死体が見つかる。被害者は、リサイクル店で働く不法移民アルベルト。その住居を調べたボッシュはセシウムの入った木箱を発見する。アルベルトは、捨てられていた箱を中身を知らずに持ち帰り被爆してしまったらしい。犯人はそもそもセシウムを手に入れておらず、ケントがセシウムを箱に隠して展望台に行ったのではと考えたボッシュだが…

テロとは関係なく、ケント殺しはパーソナルなものかもしれないと考えたボッシュは、ケントの身辺を洗っていく。すると、ケントが妻アリシアと金銭的に揉めていたことがわかった。セシウムは目くらましで、最初からアリシアがケントを殺す計画だったのかもしれない。ボッシュは本部長から許可をとり、アリシアの盗聴を開始する。そんな中、無罪放免となったヘザーとチャーリーは連邦政府に憎悪をたぎらせ、本当にテロを起こそうと画策する。



「ボッシュ」シーズン6です。


ロサンゼルス市警ハリウッド署殺人課刑事ハリー・ボッシュの活躍を描いた本作も、もうシーズン6。今回は、セシウム強奪事件という本筋の他、未解決のデイジー・クレイトン殺害事件の捜査と、エドガーがハイチ人ギャング・アブリールと対決する話が描かれていきます。いつものお荷物コンビ、ムーア&ジョンソンやビレッツ警部補、アービング本部長も健在。弁護士事務所で働き始めた娘マディとすれ違い気味なのは気になるけど、基本ボッシュは幸せそうでなによりです。ただ、ボッシュもエドガーも、自分の事件が納得いかない結末を迎え、新たな十字架を背負ってしまいました。この苦味は、まさに「ボッシュ」らしい。最終作となるシーズン7にも期待です。
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