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塀の中の中学校のニックネームのレビュー・感想・評価

塀の中の中学校(2010年製作のドラマ)
5.0
リアルタイムでみていたのだけど、あの頃はなんかまだ心がささくれていたのかなー。
大滝さん、渡辺謙さんが出ていた、そして感動した
って記憶しかなかった。

今あらためて、みて…
皆さん
うまいへたじゃなく
もちろん塀の中のひとも外のひとも皆さんとても上手いんですが
でもその演技うんぬんとか
映画にくらべてきっと作る期間とか予算とか…
とかきっとあれども
そういうことでもぜんぜんなく

このとてつもなく素敵な作品に向き合ってる
演技者の皆さんのその素敵さが
どれだけ美しく(ときにそのまま醜く)映っていることか。

ひとは希望があれば生きられる。

刑務所を実際出たあとのかたは
そう、思っていても
やっぱりそれだけで生きられるわけでもないだろうけど。

これはドラマであって
ほんとはやっぱりうまくいかないかたのほうが
多いのかもしれないけど…。

でも、希望を持って刑務所内の中学分校を卒業し、希望を持って刑務所の外に出ていくひとたちを
私も希望を持って信じていたい。

そんな意味でも
記憶から消されたり、埋もれさせたりしたくないドラマだなあ。
(記憶消えてた私がそう言うのも。)

色んな必要なところで、
これからも
上映されたり、放送されたりして届くべき誰かのところに届いたらいいなあーって作品でした。

そして実際の刑務所を使って撮影している部分は
やっぱりなにか異質なものが宿っているのが見えて(くるようで見えませんが)ふるえる。

だけど
犯罪を犯したかたが更正できる世の中にするには
私たちも、この私の弱さも強さも
…ほんとはこのかたたちとなんらかわらないものなんだ
なにか希望を持てる機会のあるなし、多い少ないの差異程度で
同じなんだ
同じくらいなんだと
そんなことをいつもいつも自分に問いながら
彼らに更正してほしいならば
私だって日々
更正してくらしていくこと。
じゃないかな。
(かっこよさげなことを書いてしまった。)

教師のオダギリさん角野さん側のお顔も
警務にあたる村田さんも
大滝さん、渡辺謙さん、すまけいさん、千原せいじさん、染谷将太さんの生徒側も
そして(始めのころはとても虚しく悲しい面会が続く)ご家族側の
蟹江さん、森山未來さんも
すべてのかたのお顔が…
時系列通り撮影してなくても
ドラマの終わりごろは
冒頭の皆さんのお顔より
ほんとに、なにかが洗われて、浄められていて…
とても美しくなっていっていた。

それを表現できる役者さんてすごい。

そしてそれをますますそうさせているなにかが働いているような。

すてきな、いい、おはなしだー。
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