冒頭で夫より早起きして化粧する様で鷲掴みされる。現代よりも世間体を繕わないといけない中、ミッジが自ら生き方を選択していく。対するジョールは一時の感情で浮気をしてしまうのだが、その内にあったのは矜持を傷付けたと早とちりしてしまったことにある。憎めないキャラクター造形であり、恋愛ものとしての擦れ違いの描き方が秀逸である。
文化が違うためスタンダップコメディは好みが別れるが、スージーや家族との会話劇は漫才のようで面白い。50年代のファッションや、時代を感じさせるトークと細部の作りがしっかりしているのも特徴の一つであろう。
✔️子供という舞台装置について
恐ろしいくらい子供の影を一切感じないのだが、テーマがブレるため意図的に親としての側面は排除しているのであろう。本作は一人の女性が時代に抗うワークムービーと恋愛劇に焦点を当てている。
