原作を読み、唐沢版を観たうえでの鑑賞。
もともと尺がないから仕方ないとは思うんだけど、後半の駆け足感は否めない。前半の教授選をもっとさらっとやって、裁判にじっくり時間をかけたほうがよかったのでは。
岡田准一の財前はいい部分もあったけど、時折リアクションが欧米人みたいでオーバーアクト気味だったのが残念だった。身長は別にどうでもいい。唐沢寿明だって江口洋介とか伊藤英明と比べれば小さく見えたし。岡田はがっちりしてるので、そういう意味では唐沢よりも財前味はある。
松ケンの里見はこれはこれでありかなという感じ。それにしても里見って誰がやっても原作とは乖離してしまうのは自分だけだろうか。それだけフィクショナルなキャラクターなのかもしれない。一種の「理想としての医学者」だもんな。
音楽はいい曲もあったのだけど、全体的に統一性がなくチグハグ。そのせいでドラマのトーンももうひとつまとまらなかった。唐沢版の加古隆の音楽は大げさすぎるところはあったものの統一性はあった。
もういいよ、という人もいるかもしれないけど、10年後にまた新しい「白い巨塔」が観たいです。