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全裸監督 シーズン2のGreenTのレビュー・感想・評価

全裸監督 シーズン2(2021年製作のドラマ)
3.5
シーズン1は『グッドフェローズ』以降の「裏社会での栄枯盛衰」という、ハリウッドで使い古されたストーリー・ラインだなあって思った、と書きましたが、シーズン2は「日本の王道ヤクザ映画」っぽくなってきたなあと思いました。

日本のヤクザ映画って本気でめっちゃ怖いので、チンピラキャラだったトシが、古谷というヤクザのおじさんとどんどん近くなっていくのがジリジリとヤバいな〜と思わされた。

しかしこの古谷を演じる國村隼って人?といい、リリー・フランキー、ピエール瀧は何を観ても出てますね。女優さんは観たことない人もたくさん出ていて良かったけど。

一番自然で良かったのは、メイク担当の順子(伊藤沙莉)って人。この人の演技はナチュラルだったけど、他の人は私の好きじゃない「マンガの吹き出しみたいなセリフ回し」をしていた。それはシーズン1からずーっと気になっていた。

シーズン2では、村西監督の芸術重視というか、自分の誇大妄想化した夢を追うばかりで他人の意見を聞かなくなり、どんどん嫌なキャラになって行く。

村西監督はAV女優を丁重に扱うし、AV女優たちも性的に開放されたいという意外とフェミニスト的な理由でAV女優になっていたという風に描かれていたけど、この辺どうなのかなあ。本番を強要はしない、女優に選ばせる、ってあるけど、かなり精神的に操っている感じするし、あと、「自らビデオに出る監督」「自分も裸になる監督」って好感度高いけど、自分が気に入った女優とやりたいだけなんじゃないの、とは思った。

しかし、普通の映画界、エンタメ業界だって同じだよね。AV業界は究極の世界だっていうだけで、芸能界って性的搾取なしには成り立たないって思った。まあそもそも売っているものが、レベルの違いはあれ「性」なところはあるよね。

性っていうか、このストーリーの中でも繰り返し語られている「ありのままの自分を表現する機会」を求めて、人は芸能界に入る・・・でも、芸能界はそういう思いを商品化し、消費することで成り立っているんだろうな。

この話はどこまで本当で、どっから脚色なんだろう?村西監督の人物描写は概ね正しいと思うんだけど、ヤクザの世界との絡みとか、警察がヤクザと絡んでたとか、ライバル会社の社長自殺とか、本当だったらめちゃ激動じゃん。黒木香って本当に自殺未遂したの?とか調べちゃったよ。
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