クリストフォルー

スター・トレック: ディスカバリー シーズン2のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

4.3
『宇宙大作戦(OST)』のテレビ放送時代から「スター・トレック」各シリーズを吹替えで愉しんできた世代としては、ソフト化や配信が主流になっても、やはり吹替え声優が作品の印象を決めてしまう。戸田恵子がリプリーやダナ・スカリー捜査官の印象を決定付けたように、本シリーズのマイケル・バーナム中佐の知性と信念を十二分に伝えてくれたのは、声優のよのひかりさんだった。“シーズン2”で時空を超えていったマイケルの帰還を心待ちにして、来月発売の廉価版のBDも予約しているのに…。観たら余計泣けてしまうナァ。
よのひかりさんの御冥福をお祈りします。

JJ・エイブラムス版「STⅩⅠ」からの“ケルヴィン・タイムライン”があったりしてややこしいが、『:ディスカバリー』は正史(プライム・タイムライン)の方に連なる。特に、この“シーズン2”には、《ミスター・スポック》になる以前のスポックと、エンタープライズの船長時代のクリストファー・パイクが登場して、まだ正史で語られていなかった部分が描かれる。しかも、映画に劣らぬ迫力のVFXシーンやアクションも満載だが、テレビシリーズの基本は対話劇なので、登場人物たちの感情のぶつかり合いにリアルさが伴なわないと、作品の世界を愛することはできない。
その点では、前シーズンからの登場人物にも新たな側面が加えられ、新たなキャラクターたちとともに、より大きな危機にも立ち向かえるチームになっていた。悪を倒して終わりというルーティーンはとうに捨て去っている《DISシリーズ》だが、”シーズン3”に向けた壮大なクリフハンガーに、かなりモヤモヤさせられたまま待たされることになるが、正史からも自由になったディスカバリーに期待も膨らんでいる。
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