ブタブタ

ケイゾクのブタブタのレビュー・感想・評価

ケイゾク(1999年製作のドラマ)
5.0
カルト・ドラマ。
それまでの刑事ドラマの概念を覆す実験的かつでシリアスとコメディのハイブリッド・エンターテインメントでサスペンス刑事ドラマ。
オープニングのフラッシュバックと中谷美紀が歌う『クロニック・ラブ』のお洒落感からして普通の刑事ドラマでは無い。
灰色がかった寒々とした画面とかロイ・アンダーソンの映画みたい。
本作と10年後の『SPEC』更に10年後の2020年にTVシリーズをやって欲しかった。
『ツイン・ピークス・リターンズ』みたいに満を持してシーズン3をやって未解決の諸々に決着をつけて更に次回『継続』だったら最高だった。
堤幸彦ってこの頃は凄かったのか、それともスタッフが凄かったのか。
前半は不可思議な事件を捜査するバディ物で、後半は快楽殺人鬼・朝倉と真山(渡部篤郎)との因縁と復讐と対決を描く。
劇中の警察機構が現実とは可也違ってて、警察内部の不祥事を闇に葬る為の特殊捜査班SWEEPとか、必殺仕事人に登場した仕事人狩りの闇同心みたいに国家警察組織内部の非合法暗殺部隊の設定は超燃えます。
野口五郎のラスボス感もよかったですが、これ以降野口五郎は役者としては結局パッとしなかったのは残念。
捜査一課の刑事・木戸彩を演じる鈴木紗理奈が兎に角カッコよかった。
最初はスカート、リクルートスーツみたいなファッションでしたが後半からは今みると狩野英孝のホストスタイルみたいな派手なパンツルックでストーリーの根幹にも関わってる重要キャラクターだったし、恋人であるSWEEPの捜査官・斑目との悲劇的な結末など主役コンビに次ぐ第三の主人公だったと思う。
関西弁で姉御肌でよく見ると美形のキャラクターって今やるならファーストサマーウイカか?
SPECの映画版で明かされた朝倉の正体(神とかそんなん)が超絶つまらなかったので、続編に期待とかしても堤幸彦が作る限りどうにもならないな~と思ったりするのが寂しい。

10話のロケ地、精神病院として登場するのが佐賀・永代橋近くにあった「食糧ビル」
上から見ると「ロ」の字型の吹き抜けの中庭がありリノベーションで中には多くのギャラリーがあって東京都現代美術館に行ってから食糧ビルに寄るのがいつものコースでした。
Amazonプライムで久々に見て懐かしかったので。
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