トランティニャン

ナルコス:メキシコ編 シーズン2のトランティニャンのレビュー・感想・評価

4.5
期待を裏切らない圧倒的な重さ。奢れる者は久しからず。
第1話の「セイヴ・ザ・タイガー」というタイトルが秀逸。シナロアから
プレゼントしてもらった囚われのトラと自身を重ねるフェリクス。そこからの解放と新たな野心のために、ありとあらゆる手を尽くしている間にマネジメント不足に陥り、ボトムが揺らいでしまった。

シーズン2はプラサの崩壊がテーマとなっているゆえに、フェリクス以外も魅力的に描かれてた。
女のためにカタギになろうとする古き良き売人アコスタ。そんなアコスタやフェリクスに翻弄されつつも、飛行機を買い漁り「空の王」となるアマド。東映任侠ものに出ていてもおかしくないほどの味わいのある顔面を誇り、正義と悪のあいだを徘徊するカルデローニ。常にポーカーフェイスで暗躍するアスールの変わり身の早さ。次のシーズンに向けの布石はばっちりだ。

一方DEA側は引き続きペーニャ(ペドロ・パスカル)のような強いキャラがおらず、レジェンダ作戦を指揮するDEA捜査官ウォルトも顔面が薄い(頑張ってるけど)。暗躍するCIAのハゲや、関ジャニ村上似の国務省官僚の方が一瞬ながら濃い。