天カス

マンダロリアンの天カスのレビュー・感想・評価

マンダロリアン(2019年製作のドラマ)
-
[チャプター1]
デイヴ・フィローニ監督回

ディズニー傘下以前からスターウォーズのアニメを撮ってきたフィローニが実写に。
単純に話が面白い。
片目が実際見えていない映画監督には全然見えないヘルツォークの登場と帝国崩壊後の殺伐とした印象がマッチ。ブラーグが良い。

[チャプター2]
リック・ファミュイワ監督回

ジャワ族の見た目がなんか印象と違うが、サンドクローラーでのバトルは、終わり方の呆気なさ含め結構荒唐無稽で好き。
終盤で戦う生物はなんだ??
アグノートがニックノルティなのか…。

[チャプター3]
デボラ・チョウ監督回

ジョン・ウィックチャプター2とかリベリオンみたいな話。
バトルは派手だがちょっと見難い。
そもそも画面にビネットが意図的に効きすぎてて好みじゃない。

[チャプター4]
ブライス・ダラス・ハワード監督回!

話がほぼ『七人の侍』クローンウォーズでも七人の侍のオマージュ、七人の傭兵とかいう回があったが、それの実写版でしかない。
突貫工事ロマンス。青い海老。
そのヘルメット取れよとやたら言われる。

[チャプター5]
デイヴ・フィローニ監督脚本回

タトゥイーンのEp4オマージュというより、Ep4に出てきた場所を巡ることで帝国崩壊後の時代の風景の変化を観客に伝える。ハットカルテルは滅亡している。カンティーナはドロイドが切り盛りし、閑散としている。
モスアイズリー宇宙港、ピットドロイド、デューバック、タスケン、バンサ、スピーダーバイクととても上手く話に馴染んでたが、タスケンの見た目がなんかちゃちいのが悲しい。もっと汚れてるでしょ。

[チャプター6]
リック・ファミュイワ監督回

めっちゃつまらなかった。
シチュエーションモノとしての落とし込みがイマイチ。ピストルを四人が向け合っているのにサスペンスが足りない。囚人が監獄にいるのに大して活かされない。ダサい仕事仲間たちの演技が微妙。とかいろいろ原因はありそう。
EP7のハンソロの密輸船内でのゴタゴタの方が一億倍おもろい。
引きちぎられるドロイドの腕から出る真っ黒いオイルが良かった。
トラッキングシグナルが出ているところを調べもせず皆殺しにする新共和国、帝国並みに残忍。バスターコールでしかない。

[チャプター7]
デボラ・チョウ監督回

前回のダメさっぷりから一転し?ビジュアルイメージがとても良い。
夕陽の逆光とロングショット。溶岩と岩。ブラスターの光や焚き火しか光源のない暗闇。といったコントラストの効いた画面が綺麗。
Ep4〜6には一切いないデストルーパーや、やけに綺麗なストームトルーパーがぞろぞろ登場(多分ローグワンのプロップの使い回し)するのには首を傾げたが、なんだかんだ知っているものが話にうまく絡んでいると前屈みになってしまうモノ。
しかし、旧式のタイファイターの着陸方法が、今作とエピソード9とで異なっているのは一体なぜだ。
今作のタイファイターが一応マイナーチェンジのものだと取るべきなのだろうが、ディズニーの制作体制のガタガタっぷりは既にこの5年間でいやというほど耳にしているので、単にコンセンサスが取れてないだけだろうと邪推。
こっちの着陸方法の方が良いじゃん。

[チャプター8]
タイカ・ワイティティ監督回

わかりやすくタイカ・ワイティティ。
演出、台詞、音楽も他のチャプターと印象が異なる。
派手な銃撃戦に彩られた、前エピソードから引き継がれた緊張感が保たれた前半は非常に良かったが、後半はだいぶ弛緩してしまった。

[全体の印象]
ディズニーは相変わらず作品世界の広げ方がルーカスフィルム専業時代と比べて恐ろしく下手くそで、かつては敏腕プロだったキャスリーン・ケネディには今や苛立ちしか感じない。
しかし、マンダロリアンはスターウォーズのメインの歴史を背景とした一人の人間とそれを取り巻く人々のお話として、非常にスターウォーズ的である。
ここでいうスターウォーズ的とは、あくまでも私の主観的なスターウォーズ観。端的に言えば物語の宝庫。少し突っ込んで言えば作品内の人々の生活が見えることに尽きる。
主人公のマンダロリアンのドロイド嫌いの背景には、クローン戦争中に両親をスーパーバトルドロイドに惨殺されたという歴史の一部分としての自己がある。
反乱軍ショックトルーパーだったキャラ・デューンにおけるイデオロギーとその生き方には歴史の一部分としての自己がある。
アグノートのクイールには奴隷だったという歴史の一部分としての自己がある(スターウォーズ世界には奴隷制が蔓延している)。
これがただしいスピンオフだろう。
語るべき物語を語られるべき土俵を使って語ること。
エピソード毎の出来不出来は当たり前だが、スターウォーズの物語の広がりがディズニー傘下の作品になってから、ようやく感じられて素直に嬉しい。
今までのイマイチなスピンオフ映画たちも全てドラマシリーズという形式にであれば、もっと上手くいったのではないだろうか。