なみつ

マンダロリアンのなみつのレビュー・感想・評価

マンダロリアン(2019年製作のドラマ)
4.0
参った 参りました。
すきです。かっこいいです。

いくつかの先入観、思い込みにより、評判の良いこの作品を自分は楽しめないのではないかと思っておそるおそる見ていたが、良い意味で裏切られた!

●思い込みその1:ベビーヨーダが気持ち悪い
初対面がツムツムだったので…登場時きもいと騒いで申し訳ございませんでした。
か わ いすぎる!!!2話にして陥落。あまりの愛らしさに毎話悶絶。回を重ねるたびあざとさが増してゆくこのちんちくりん
さらっとかわいいように思えるし、超能力赤ちゃんって案外キャラクターとしてそこまで珍しくないけど、恐ろしく神がかった奇跡のバランスで成立しているような気がしてきた。
・人間や動物では実現できない絶妙なサイズ感。
・まったくしゃべらない
・赤ちゃんなのに、ヨーダの面影のせいかそこはかとない知性を兼ね備えているように見える
・マイペース徒歩
・控えめな無双

ないとは思うけど、次のシーズンででかっ!ってなるくらい成長してたらちょっと悲しい。


●思い込みその2:スター・ウォーズに詳しくないと楽しめないのでは
そんなことはなかった!フォースとかジェダイとかの基礎知識はさすがにあるほうがピンとくるけども、既存のスター・ウォーズ作品群とは切り離して見られました。
もちろん、詳しい人にとっては「この場所は!」「この種族は!」といったうれしい発見やサービスがたくさんあるようなので、内容をぽっかり忘れている自分としては、そういうのでテンション上がるのはやっぱりうやらましいです。


ストーリーというよりは、キャラクターたちの織りなす絆の醸成とそのほほえましさを楽しんでいます。
なんの汚れも非の打ち所もない赤ん坊やドロイドたち、それらを手なずけて侍らせている、むしろ手なずけられていいように使われているけどまんざらでもない感じでミッションをこなしてゆくマンダロリアンを応援している。


【以下、ネタバレあり】
この主人公、マンダロリアン。
常時ヘルメットをつけているから、風貌や表情がわからない。基本単独行動で、独り言やモノローグがないから何を考えているかもわからない。

自分がこの人に対してどういう感情を抱けばよいのか、だいぶ終わりのほうまで定まりませんでした。
もともとダース・ベイダーとかもすきだし、ヘルメットの時点で見た目の感じはめちゃくちゃかっこよい!とは思ってて、「賞金稼ぎ」とのことでなんとなくゴルゴ系かな?と思いながら最初は見てました。
でも、なんらかの目的や背景があることを匂わせながらも、なぜベビーヨーダを助けるのか、会って間もない謎生物のためにそこまでする?とか、血も涙もないのかと思えば田舎の村人たちに肩入れする、んだかしないんだか、なんかぜんぜんわからなくて。美学があるようでないようで?無敵超人!というわけでもないし。
しかもミッション一筋人間と思いきや急に人妻にくどかれてるしびみょうにロマンスらしきものが挟まってきて、えっこれは各星に現地妻がいるタイプですかまさか?となり戸惑いがやばかったです。
抜けてるのか賢いのかもわからない。
要領良いようでどう考えてもおかしいときもあるし。

まあでも、人間ってそうですよね。単純じゃないですよね。ふだんアニメをけっこう見ているからかもわかりませんが、いかに自分が無意識にも記号にあてあめようとしてるか、すごく実感、そして反省しました。赤主人公、青クール、とかね。

しかしてそんな自分も、どういう目線でこの人を見るかを6話で決定しました。

これは、学校でクラスのみんなからはいじられたりちょっと小馬鹿にされてるんだけど、自分はすごいすきで尊敬している授業一筋の先生を影で応援するような感覚です。
「一匹狼の凄腕ガンファイター」って紹介ではあるもののなんかそういう感じには思えず、それはそうなんだろうけど、なんだろなー、究極的にはただの不器用では?です。
最初は若造なのかと思って見てましたが、6話の髭との会話からしてまあまあおっさんなのですよね、ある程度。そうであるならば、ベビーヨーダやIGとの関わりにおいて生まれたもの、得たものは、これまでの人生ですでに獲得しててもおかしくなくないか?とわたしは思うわけです。そんなに強くなるほどの経験あるならね。
でもそうならなかったのは、ここで言う掟一辺倒に生きてきたせいで、数あるパラメーターの偏った部分だけが突出した状態になったのでしょう。その不器用さが、すごく、応援したくなる。ある意味器用とも言えるけど。

結論、かっけーっす。かっけーんすよ、マンダロリアン!

赤ちゃんが出てくる話によくある育児苦労もないよね。そこは都合よく50歳設定だからね。そのへんのばっさりはよいと思います。

一生ヘルメットを外したところは出てこないのか?と思っていたら、出てきた!!個人的にそれがシーズン1一番の驚きだった!
そしたらまさかのペドロ・パスカル!!!!!プリンスオベリンではないですかーああああああそんなまさか…そんなことがあっていいんだろうかというくらいありがとうございます。ふつうは知ってから見るのか。実はシアンもゲースロ俳優さん。

中身がわからないときは、なるべく認識を固定して見ないようにしていたけどしかし、ペドロ・パスカルならば話は別だ。これはもうそうと知った状態でもう一度最初から見る必要がある!
そう考えると、プリンスのときのちょっとエキゾチックな感じの訛り英語はあえてだったのか…今回は、ドロイドまではいかないけどあんまり人間味のないっぽい抑揚のない話し方がすごい良かったです。なのでラストでクイールに呼びかけるシーンはかなり、ぐっときました。


個人的に納得いってないのは、あのマントいるのか?ってところです。
そう思って「マント 意味」で検索しました。結果やはり意味はないなと思った。あえて言うならたなびくためですね、雰囲気マント。ダース・ベイダーにはある。

落ち武者トルーパーたちの、給湯室での会話って感じのやりとりなんだかすきでした。


そういえば、途中の小僧エピソードの伏線がまだありましたよね。
シーズン2も楽しみだ!!
なみつ

なみつ