〈古畑、今泉、西園寺の3人は警察官を退職し警備員になった向島を激励するためにバリトンホテルを訪問する。そこに帰国中のメジャーリーガー、イチローが偶然やってきて、向島と親しげな様子で会話をしているのを見て3人は不思議に思う。実はふたりは異母兄弟なのだった。その夜、以前から向島を脅迫していたフリーライターの郡山がホテルを訪れる。向島は郡山を刺殺して自分もストリキニーネという毒をあおって死のうとしていた。イチローはその毒を取り上げ、ふたつのカプセルを郡山に提示し、どちらか選べと言って服毒死させる。地下駐車場の車内で男が死んでいるとの連絡を受け、古畑が捜査に乗り出す。助手席にこれみよがしに残しておいたホテルのマッチが気になる古畑。しかもそのマッチは片面が濡れていて火がつかないものだった。古畑は加湿器のあるホテルの部屋を割り出し、イチローの元を訪れる。なんとイチローは死んだ男と会っていたことをあっさりと認めたのだった。〉
この物語はあのイチローが俳優としてしかも犯人役で実名で出演したことですでに9割方成功している。殺し方やトリックの粗探しは野暮なのでやめておく。犯人が嘘をつかないという点ではシーズン2の「笑わない女」を思い出した。イチローは初めてとは思えないほど芝居が上手い。ニヤリと笑った顔がホントに悪そうで、きっとお兄さんが危なければ何度でもやるんだろうなという気合いすら漂っていて、並みの俳優より迫力があった。
高校生の頃、ピッチャーで4番だったと言う古畑の投球フォームに失笑。イチローよく吹き出さなかったなと感心する(NGを出さなかったと何かで読んだ)それにしても三谷幸喜の向島愛がスゴイ。隠し玉が多すぎる。