〈数学者二本松晋(陣内孝則)は野田茂雄(田口浩正)とのコンビで数学の権威ある賞を受賞し、授賞式はオーストラリアのホテルで行われることになっていた。二本松と不倫関係にある野田の妻、ひかる(水野真紀)に電話で呼び出され駆けつけると野田が倒れており、言い争い突き飛ばした拍子に机の角に頭をぶつけたというのだ。警察に行こうとするひかるを押し留め、二本松は酒に酔ってプールに行こうとしたところを足を滑らせ階段から落ちて死んだように偽装工作をする。缶詰の懸賞に当たりたまたまオーストラリアに来ていた古畑と今泉は二本松のアリバイ作りに利用されることになる。トランプに興じている最中に扇子を忘れたことに気づき、慌てて現場に戻ってみるとなんと野田は蘇生しており、部屋に戻っていた。そして野田は数学界の永遠のナゾ「ファルコンの定理」を解いたと言い出し、壁に検算の式を書いていた。喜ぶ二本松だが、元々コンビと言っても功績の大半は野田のお陰で二本松はスポークスマンに過ぎなかったということもあり、これは自分だけの手柄だと野田に言われ、発作的に大理石の灰皿で撲殺し、再び事故死に偽装するが、その最中に足を負傷してしまう。逃走しようとしたその時、三方からホテルスタッフがやってくるのが見えて絶体絶命かとおもわれたが、野田の水着を脱がせてホテル内のプールを横断することで難を逃れた。古畑に疑われていることを悟った二本松は灰皿をひかるの居室のものと取り換え、彼女に罪をなすりつけようと画策する。〉
警部補古畑任三郎、初の2時間スペシャルにして初の海外ロケ(しかしすべてホテル内で完結しており観光地などでのロケはない)
笑うカンガルーとは男運のない女性を意味するオーストラリアのことわざらしいが、なにもできない耐えるだけの女のフリをして、結果的にモラハラ夫からも不実な不倫相手からも自由になったのはこの男運のない野田ひかるであり、どこまでが彼女の企てであったのか、ひかるもまた傷害罪となるところを見逃されており、古畑さえもひかるの手の内だったような気もする。水着のくだりはかなりの力技だが、二本松が偽装工作中に足を負傷したことがその後の展開につながるのかと思っていたら、次の日にはスタスタ歩いていて完全に騙された(笑)いつも相手に嫌な詰め方をする古畑がセブンブリッジで二本松にキレ散らかされるのがいままでにない感じでかなり面白いシーンになっている。シーズン2の第1話で古畑は今泉と仲がいいと誤解されて捜査から外されたと憤慨していたが、そりゃオーストラリア旅行に一緒に行ってれば普通はそう思うだろうねw
休暇から帰ってさらに休暇を取ろうとする古畑のひとり働き方改革にちょっと笑ったが、今泉の言ってた「忙しくなる」とはシーズン2の前振りか。