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ゾンビが来たから人生見つめ直した件のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.8
小池みずほ(石橋菜津美)、君島柚木(土村芳)、近藤美佐江(瀧内公美)は、とある地方都市で一つ屋根の下で暮らすアラサー女子。ある朝、テレビでは近所の山中の施設が炎上したというニュースが流れるが、3人は意に介さない。しかしその後、街ではゾンビのようなものが発生し、彼らに噛まれた住人がゾンビ化するという事態が生じていた。その様子に気づかないみずほは別居中の夫・小池智明と離婚に向けた話し合いをするためにファミレスに向かうが、その途中に寄ったコンビニでゾンビの襲撃に遭う。さらに、そのコンビニに智明と美佐江が一緒に逃げ込んできたことから、みずほは智明の不倫相手が美佐江だと気づく。街がゾンビに襲撃される様子がテレビに放映されず、外部から封鎖され無政府状態となった街で、みずほ達は「ゾンビに〇〇をやってみた」というタイトルの動画を見つけ、この街を訪れて起死回生を狙うYouTuber・尾崎乏しいの姿を見て、みずほは自らが生きる意味に気づくことになる。
これまでのゾンビものの映画やドラマでは、人間がゾンビになると今までの記憶を失くしてしまうという設定だが、今回は「ゾンビになっても今までの記憶を失くさない」という設定で、みずほの母がゾンビ化していく自分の変化に対する不安をみずほに送るメールに書いたり、ギタリストの目指すコンビニ店員の神田くん(黒猫チェルシーの渡辺大知)がゾンビ化してもギターを手放さず弾き続けたり、流行りのラーメン屋にゾンビが行列を作ったりなど、妙に人間臭いゾンビの描写がユニーク。
生きることに執着を失くしていたみずほがゾンビに襲われた時に衝動的に抵抗して生きるために足掻いたり、みずほの夫と密会していたラブホテルでゾンビに囲まれ自分の生死よりみずほに不倫がバレることを恐れる美佐江、ゾンビに囲まれている状況でみずほに離婚を迫る美佐江、美佐江に離婚を迫られてきて初めて自分が夫に執着していたことに気付くみずほ、奥さんがゾンビに襲われ奥さんをどれだけ愛していたかに気付くみずほの父親、みずほたちが変わらない日常を過ごそうとしたりなどゾンビに遭遇する人々の心情の変化や葛藤がリアル。
石橋菜津美、瀧内公美、土村芳のユルいリアルな好演が印象的で、「理不尽な災難に襲われた時にこそ、日常を生きること」の力強さをユーモラスに描いたゾンビパニックコメディドラマ。