1話のファーストシーン。穴窯に火をくべる主人公、川原喜美子。この時の戸田恵梨香さんの気迫の表情に引き込まれました。
そして、終戦後、大阪から滋賀にやってきた川原一家。
無茶苦茶なお父ちゃん、しかしいろんな人を助けることで川原家は滋賀で苦しい生活の中でも周囲の暖かい気持ちで生きている。
喜美子はいつも自分ではなく、家族や仲間の事を優先に生きてきた。
愛する人が出来ても変わらず…しかし陶芸、そして穴窯と出会い、ようやく自分のために生きることを決意する。
あんなにたくさんの家族がいたのに気が付けばいつの間にか家には喜美子1人となってしまった。徐々に歳を重ねていく喜美子の姿も良かった。
本当に微妙に声色や、動きに変化を持たせ、過度な特殊メイクなどもせず、白髪を少し足したくらいなのに喜美子の重ねてきた人生を感じることができる。
登場人物も魅力的で、みな心が温かい。
息子が白血病になっても過度な闘病シーンはなく、あくまでも何でもない日常こそが幸せであり、孤独であってもそれすらも受け入れることが生きることなのだと見せつけてくれた。
最終回の日に偶然、信楽に行く機会が出来て、ロケ地なども行くことができたし、なにより、モデルになった神山清子さんの作品を実際この目で見ることができたことは最高の思い出になりますし、自分の中でこれからも喜美子の物語が続いています。
八郎を演じた松下さんの演技も素晴らしく、息子を演じた伊藤健太郎さんとの親子のシーンは特に印象深いです。
