SSDD

またの名をグレイス シーズン1のSSDDのレビュー・感想・評価

3.0
気が滅入る怖さも、不安定さからくる没入感も感じられなかった。

早口で絶えず捲し立てる描写がなにか巧妙さや冷淡さを物語っているというより、時代背景に割かれているように感じた。

淡々と冷酷で人の権利が保障されていない時代、身分で人が決められる時代。
女性軽視、男尊女卑が当たり前の理不尽で過酷な世界。
スリラーとしての怖さではない。

周りが狂っているのか本人が狂っているのかわからないような恐ろしさより、いじめのような陰湿で、当時の価値観の平衡感覚の軸の座りの悪さが、じっとりと描写するのを重視されていたように思う。

殺人を犯すまでよりも犯した後の方が過酷に思えてしまって、事件自体までの生き様の過酷さがボヤけてしまったように感じてしまった。

結局は理不尽な女性だったから起こりえた
友人の死や、安心して夜も眠れない女性の不安ということを、私が男目線で見て理解できていないことが本作を楽しめなかった理由なのかもしれない。
SSDD

SSDD