クマヒロ

セックス・エデュケーション シーズン2のクマヒロのレビュー・感想・評価

4.8
『2020年多様性の教科書』

前作から人間関係も出来上がった状態でスタートする分、オーティス以外の面々にもスポットが当てられる『セックス・エデュケーション シーズン2』

そこで浮かび上がってくるのは多様性。
歳や環境は関係なく存在する一人一人が抱える現代的な問題を映し出す。
性的な問題のみではなく特に家庭環境にも目が向けられる。
オーティスもメイヴもジャクソンも皆違った問題を抱える。
どうしても閉じた作品になりがちな学生時代を描いた作品だが、ドラマの特徴を活かし、描けるだけ描き切っているのが素晴らしい。
間違いなく、今観るべき作品である。

作品の本筋であるラブロマンス的な展開も非常に纏まっており、構成がいい。
群像劇で非常に複雑な人間関係。
話が散漫になりかけても1話ごとにまとめて次に繋げる脚本力は本作をドラマとして人気にせしめている理由でもある。

エリックとアダムのライトのみの会話、オーティスとメイヴのメールのやり取りの切なさ。地獄のパーティーの目も当てられない光景。
印象的な数々の名シーンがあることも同様に良くできている。

特に刮目すべきである7話。
全く別の方向を向いている女生徒達が同様の敵を見つけて団結する。
「男」である。
なんとも悲しいが、現実的。男性が女性を蔑視するようなことはあってはならない。

シーズン1の駆け抜けるような展開と対照的なしっとりしたラストはシーズン2らしく、少し大人びたラスト。
今後どのように恋愛が進んでいくのか、楽しみである。
クマヒロ

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