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ボーイフレンドのhanaのレビュー・感想・評価

ボーイフレンド(2018年製作のドラマ)
3.9
美しい風景と穏やかな音楽、誠実に人と向き合う登場人物たちに、ゆったりと浸ることができるドラマ。こんなふうにありたいなと思える人がたくさん描かれている。

ソン・ヘギョ演じるスヒョンは、地位や金銭的な裕福とともに、孤独を抱える人物だ。スヒョンの母親は、大統領の妻になることを熱望し、スヒョンのことを、そのための道具としてしか扱わない。スヒョンは、そんな自分の人生を半ば諦めたかのように、自分を押さえ込みながら生きている。

そんな境遇であれば、人に対して冷徹になってもおかしくないのに、スヒョンはとても誠実だ。手にしているもの以上は求めず、今、目の前にいる人や仕事を大切にする。

彼女をそんな風に生きさせているものは何なのだろう。彼女の秘書や運転手、父親の、彼女を思う愛があるからだろうか。それとも、自分を客観視できる(してしまう)からこその境地なのだろうか。はたまた、仕事で有能であるからこそ、あくまで仕事上の思いやりに徹しているのだろうか。

パク・ボゴム演じるジニョクは、スヒョンの可愛さに惹かれていく。言葉の通り、無限の愛を伝えていく。彼は、まわりの人を愛することに躊躇いがない。その真っ直ぐさが素敵だ。その愛に、スヒョンの表情や心が柔らかくなっていく過程も素敵だ。

この作品のソン・ヘギョは、本当に可愛い。ショートヘアも似合っているし、上質でシンプルな洋服を身に纏い、背筋が伸びている姿は美しい。彼女の目は、今回の役にぴったりだと思う。冷たく見える時もあるけれど、感情を抑えながらも、時に涙を堪えようとする姿が美しい。彼女の部屋も、センスよく整えられている。彼女の孤独を感じさせる絵画が飾られていることに、一貫性も感じる。

製作発表会の映像のなかで、監督がキューバの美しさを語る。その美しさを描ききれていないと。この言葉には監督の誠実さも表れているように思う。その誠実さ故か、スポンサー商品を写す場面が、他作品よりもあまりに写そうとしすぎていて、現実に引き戻される。またあまりに偶然の出会いが多いので、現実にはそんなに運命的に会えないよなぁと、これまた現実に引き戻される。

キューバの美しさは、視聴者としては伝わってきたと思っているけれど、本物はもっと美しいのかな。足を運んでみたくなる。