キャラクターとして特に印象に残ったのはビクター・ザーズ。映画「バットマンビギンズ」(2005年)や「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」(2020年)ではモブのチンピラ的扱い(?)なのに対し、本作における存在感の何と圧倒的なことか。怖い、怖すぎる。怖すぎるけどスタイリッシュでカッコいい。黒のスーツを纏い3人の女の殺し屋を従えてゴッサム市警に乗り込んできたザーズと、この異常事態に全く怯むことなく対峙するゴードンのシーンは互いのやりとりもカッコ良くて個人的にこのドラマのハイライトだ(第7話)。演じるアンソニー・キャリガンはドラマ「フラッシュ」(2014年:本作とほぼ同時期)でウエスト刑事に復讐する凶悪犯(ザ・ミスト)役もやっているが、殺し屋、凶悪犯を演じさせたら当代一ではなかろうか。