梯子ダルマ

ブラック・ミラー バンダースナッチの梯子ダルマのレビュー・感想・評価

4.5
いつか目が合いそうで、画面の真正面に座るのが怖くなるような。

デトロイト・ビカム・ヒューマンをプレイし終えた(正確には終えてないが)直後に鑑賞。自宅でヘラヘラとコントローラーを握る人間たちをそちらへ“引きずり込もう”とするのは、時代のムーブメントなのか。

ゲームと映画の融合作品だが、デトロイトと違って、頻繁に分岐点に戻してくれる設計は【ゲーム<映画】、ストーリーを味わう手助けとなっていて、良いと思う。

どうしても比較してしまうが、デトロイトよりもこの作品が優れているのは、よりメタ的に【やり直す】ことを視野に入れたセリフと展開。そして、同じ場面であっても選択肢が変容していく柔軟さだ。「もう一度、ここから」という、僕らのステップバックをあざ笑うように、異なる二択を提示する。容易には、やり直せない。やり直して、やり直して、変わっていく。選んだようで、選ばされている。どんどんと、存分に手のひらで踊らせてくれたまえ。


数パターン、エンディングは観れた。
おそらく、メインと思われるメタルートも鑑賞。一番好きで、美しいと感じるのは、ラストがカウンセリング室になるエンディング。この作品のテーマの一つである「境界が曖昧になる」ことを昇華させた結末は、ある意味でブラックミラーらしくない、不思議な様相を呈していた。

ストーリーなどに不満を唱えるレビューもあるが、このテーマで、このシステムを描き切ったことに、意義があるだろう。これは一作目なのだ。それはまるで「音楽」というタイトルの曲を発表するように、「悩む」という行為に悩むように、「選択する」物語を「選択する」ことで、『バンダースナッチ』は確固たるパイオニアになるのではないだろうか。きっとそうだろう。