AYUMI

集団左遷!!のAYUMIのレビュー・感想・評価

集団左遷!!(2019年製作のドラマ)
2.4
銀行員が銀行員でありたいためだけに力の限りを尽くすっていう、設定自体に共感もできなければ深みもなさすぎて、一貫して深みのない作品だった。
つまり銀行っていうのは出向したら終わりのお荷物みたいな人がいっぱいいるってことを無駄に浮き彫りにしたいかのような作品だった。そのことをもし描きたいんだったら、もっと面白く描けるだろうし、銀行に底辺でしがみついてる人もそこまでバカじゃないと思う。そしてこんな描き方されたら、出向した人はどんな気持ちでこのドラマを観たらいいのか。救いようがない。

ドラマがどうこう以前に、すごく原作がつまらないんだろうなと思った。

三上博史、若い頃まあまあ好きだったけど、ここ最近なんか存在が変過ぎて受け止められない。うまく言えないんだけど、3次元作品の中に1人だけ2次元参加してるみたいな異次元の存在感を放っていて、作品に溶け込んでなかった。香川照之だっていつもそれくらいの存在感だけど、三上博史みたいな別格が存在して、香川照之が溶け込んで見えた。

香川照之がいつか何かをしでかしてくれるのかもとついつい最後まで観てしまったが何も起こらなかった。2話まで観てつまらない作品がそれ以降に驚く展開を見せることは99.9%ないということを思い知った。

この作品を見て、半沢直樹ってやっぱすごい作品だったなーと思う。この作品よりよっぽど正しく設定が描かれてるし、その舞台をしっかりと描きつつ、どの業界にも共通する普遍的な人間関係や人間の本質も浮き彫りにして、最後にそれありえないけどサイコー!っていうフィクションだからこそのお土産もあった。俳優も皆迫真の演技だったし、音楽もすごくあっていたし、全部が揃ってた。

集団左遷、日曜ドラマ枠だけあって俳優は脇役までかなり豪華だったし、スタッフもみる限り、今までかなり素晴らしい作品を作ってきた方々の様子。問題はやっぱ原作なのかな。原作がつまらないだけでここまでつまらなくなるかな。半沢直樹とここまで大きくクオリティの差が出た原因、逆に知りたいくらいだ。とにかく、いろんなものが結果的に全然活かされてなくて、あー、残念すぎるわ。
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