地上波TVドラマ、全10回。基本、2回で1話のストーリーになっている。
動画配信サイトできわどい動画を撮って人気を集めている（要はYouTuberね）女性主人公（松本穂香）が、リストラされたサエナイおっさん（松尾諭）を危険な撮影の協力者（主に潜入取材）に無理やり巻き込んで、社会や人間の闇の部分を次々とさらけ出していく物語。
全10回全体でどのような方向の物語に着地するのか、興味がありました。結果、このドラマに特定の主張/メッセージ性があるわけではなく、SNS/ネットで他人の愚かさをバカにして盛り上がっている人間ってしょうもないよね、って自嘲するだけの話になっていたと思います。
しかし、全体のストーリーに特別な意味がなかったからと言ってこのドラマがつまらなかったわけではなく、映像の表現・演出や、各話の二転三転する意外な展開/結末自体がなかなか面白かったです。一種のブラックジョーク・エンタメ作品ですね。
OP/EDに最近流行のミレイの曲を起用するとか、雰囲気作りが旨いですよね。
私は、最後まで楽しんで見ることができました。
松本穂香さんは演技が上手いのかまだ下手なのか私にはイマイチ判断がつきかねるのですが、本作での悪魔的な極端なキャラは旨く演じられていると思います。
この物語の主人公女性は、実在する人間と言うよりは、ネット社会の悪魔のようなファンタジー的存在で、将に正体不明の JOKER です。
冴えないおっさんに、満面の作り笑顔で、危険で恐ろしいことを畳込むように喋りまくるのです。松本穂香、恐！って思っちゃいましたよ。某CMやドラマでの良い娘っぽいカワイコチャンとは大違いっす。
このドラマの売りは、ストーリー展開・映像表現も含めて全体的に徹底された毒々しくショッキングな演出にあると思います。
恐い松本穂香と、ヘタな松尾諭の凸凹コンビが、どのような終わりを迎えるのか迎えないのか。また各話ストーリーのどこまでがフェイクなのか、一筋縄ではいかない展開は期待通りってところでした。
優等生の良い子よりも、悪魔的な悪い子にどうしても惹かれてしまうような方なら、見ても損はないと思います。
(2019/3 TV地上波にて。全10回)
