このレビューはネタバレを含みます
最終回よかった。5人が誰も誰とも向き合わずに一列に並ぶ光景、ドラマ中盤まで頻繁に使われてきたあの形を、最後の最後で一つのテーブルを囲む形に変える、それも5人の手で変えるの、いい演出。ちょっとクサいけどそこはご愛敬。女優陣みんな熱演だったな。「これから」を口にするシーン、ぐっときた。
連ドラは主人公たちに毎週会いたいと思ってもらえるかどうかが大切って、過去いろんなクリエイターが言ってて(たしか磯山晶さんとか古沢良太さんとか)、その意味では“正義厨”の範子がどんどんかわいくなっていったのも、そのままドラマの魅力につながったと思う。
途中まではチープな感じの設定や演出も多々あって(それが見やすさにもつながってる)、おいおい範子はホラー映画並みにどこにでもベストの(怖い)タイミングで顔出してきて、こいつの一日は何百時間あるんじゃいと思ったりもしたけど。
範子が実は親友4人のファイルを書棚に分けて管理して、それぞれのトラブルに時間をかけて地道に対処しているっていう描写でもう結構ほだされた。自分の“愛情表現”が通じていないことに気づく辺りからは<かわいそう>と<かわいい>が混ざり合った不思議な感覚に。最終回はもう、かわいいだけだった。
自分を厳しく縛り付けていた母親という規範がなくなって、不安で寂しくて、法律的な正義をよすがにしないと生きていけなかった気持ちも、難なく理解できた。設定は極端だけど、心理にちゃんと普遍性がある。「絶対」っていえるものがあったら楽なのにと思うこと、誰にでもあるから。
録画、全話ちゃんと残しておけばよかったかな。