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スローな武士にしてくれのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

スローな武士にしてくれ(2019年製作のドラマ)
4.7
舞台は、京都の歴史ある撮影所。そこにある日、NHKからの依頼が舞い込む。「最新鋭の技術を駆使して新番組を撮ってほしい」というのだ。山のようなハイテク機材とともにNHKから派遣されてきた男・田所(柄本佑)は、人並み外れた時代劇マニア。到着するなり、幕末の「池田屋事件」をドラマにしたいと言いだし、撮影所の活動屋たちを仰天させる。さまざまな困難が予想される新技術の撮影現場で、売れっ子俳優を起用すると面倒なことになりかねない。
そこで撮影所長は、切られ役専門の大部屋俳優・シゲちゃん(内野聖陽)を抜擢、新技術満載の過酷なアクションシーンを撮影することに。しかしシゲちゃんは、殺陣は超一流にも関わらず、なかなか芽が出ない理由があったのだ。しかも撮影にあたるのはハイテクとは無縁の高齢スタッフばかり。次々と持ち上がるトラブル、難題を乗り越えて迎えるクライマックス、世界最先端のハイスピードカメラとワイヤーアクションで前代未聞の池田屋階段落ちに挑む。シゲちゃんと活動屋たちは、はたしてハイテクの試練を乗り越えることができるのか?
京都太秦の活動屋の培った技術と最新鋭の撮影機材が組み合わさって、見たことない時代劇を作るというストーリーがそのまま最新鋭の撮影機材を使う時代劇撮影の裏側を描くものになっているので、ドローンのカメラとハイスピードカメラを駆使しての集団殺陣やワイヤーワークを使っての池田屋階段落ちという新しいチャンバラアクションのメイキングであり、新しいチャンバラアクションをライブで見られるというチャンバラアクションのファンにとってたまらないものになっている。
技術を培ってきた活動屋と最新鋭の撮影機材のスペシャリストが、力を合わせて撮影していく中で新しいチャンバラアクションを作っていく活動屋同士の共闘、万年斬られ役のシゲちゃんが最新鋭の撮影機材での撮影の中で自分の限界を超えていく挑戦、内野聖陽や中村獅童や水野美紀の本格派のチャンバラが楽しめる、時代劇愛そして活動屋愛に満ちたヒューマンアクションドラマ。
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