そう

電影少女-VIDEO GIRL MAI 2019-のそうのレビュー・感想・評価

電影少女-VIDEO GIRL MAI 2019-(2019年製作のドラマ)
3.8
想像以上に持ってかれた。
原作読んだことないし前作知らんけど見れた。和製女版ジーニーか。
前半ホラー味強いけど後半急激にエモーショナルになる。
日本のドラマ・映画に多用される回想シーン。やっすいエフェクト使って萎えること多いけどこれは自然に見れたし効果的だった。

最近人間の当たり前の感情に気付かされることが多く、このドラマを見ていて特にそれを思った。歳をとると涙脆くなるというが、若い頃持っていなかったそういう感情が身につくからかもしれない。このドラマの登場人物たちは若くして気付いていて羨ましい。

男女の考え方の違いや、記憶と思考・行動の関係、愛…いろいろと考えさせられる。

人間は「記憶」という無数の情報の中から行動を選択して実行している。しかし必ずしも毎回正しい選択とは限らない。そのとき間違えたと思っても後々正しい事もある。選択肢があるということがたぶん幸せで、それが記憶に起因するものだということはある意味で縛られてもいるけど、この縛りは逃れられないし、人々はむしろ受け入れて楽しんでいるように見える。

愛。人は好きと言ってくれる人が誰か一人でもいれば自分を肯定し愛する事が出来る。それによって前を向き生きていける。だから出来るだけ好きな人には好きと言うべきだと思った。世の中の為にも。

ドラマの中では劇的な事が起こり何人もの人間が運命を狂わされているのに、最終的に主人公は一歩前進したに過ぎない。逆にいうとこれだけの事が起こらなければ彼は進めなかったわけで、人を変えるのは容易なことではない。

でもそんな主人公に共感する。現実の世界ではそんな劇的なことは起こらない。だからそういう事が起こりそうなところを選んで生きてきたのかも知れない。俺自身に誰かを変える力があるとは思えないけど、環境には人を変える力がある。

昼間のシーンでオレンジの逆ライト当てたり、マイのテーマカラー?なのか街灯紫にしたり、作為的な照明が多い。自然なライティング好きな人は抵抗あるかもしれない。

最近注目してる萩原利久は東京大学物語の田中圭並みに煩悩湧き出てて良い。肌感が良いんだよね。

アイドルは自分を可愛く見せるの上手いなあ。これは生粋の女優には出来ない芸当。アイドル兼女優の強みはそこにあるのかもしれない。横顔美人だけど正直そこまで可愛くない。それを男を狂わせる魔女に昇華させた山下美月の頑張りよ。マジでお別れしたくなかったからねw

立ち居振る舞いも独特でロボット的動きが要求されたと思う。元々茶道やってたんですね。それが活きたのかな。

良いドラマでした。
そう

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