真田ピロシキ

きのう何食べた?の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

きのう何食べた?(2019年製作のドラマ)
4.0
良いドラマだと思う。中年ゲイカップルの生活を良きにしろ悪しきにしろ特別なものとは描かず、女性的な賢二の描写も実態を知らないので判断がつかないが大丈夫なラインだと思う。ジルベール航は流石に誇張しすぎだろうが、そもそもの原作漫画がそうなのかもしれない。食べるドラマは孤独のグルメしかりでなんでもそうだが、美味しそうに食べるところを見てるだけで大抵のことは吹っ飛んでいく。幸福感に満ちたドラマである。

ただそう受け止められるのは自分が所詮ゲイじゃないからであって当事者が違った反応を抱いててもおかしくはない。実際TwitterのTLでは微妙な受け方を吐露してた方を目にした。『僕らは奇跡でできている』を見れなかった発達障害当事者としての自分をこのドラマを見ている時も幾度か思い出すのだった。

なので主人公2人に共感が出来たとはおこがましくてちょっと言い難い。自分に近いキャラクターは史朗の両親じゃないかと思う。分からないなりに理解しようと努力している。相手にはそれがかえって重かったりする。そんな距離を縮めた両者がにこやかに食事し、ゲイとして見られることを嫌がってた史朗の変化も描いた最終回は良い落とし所。映画になるそうだが個人的にはもうお腹いっぱい。いや、腹八分目と言うべきですかねシロさん。