ザ・ポリティシャンのりっくのレビュー・感想・評価

ポップで可愛らしいルックとは裏腹に、生徒会長を巡る学園ドラマは、最終話でようやく人間の血が通ってくるものの、友情や努力や根性というスポ根的な要素は一切排除し、ひとつの席をめぐって利用できるものは何でも利用してしまう戦略ゲーム的要素が面白い。

真心が籠っていない頭でっかちな政策をぶち上げ、得票数と支持率がすべての指標になっている一方で、特に政治に関心のないある学生の１日を描いた話が代表するように、立候補した側と学生側の温度差の解離が滑稽さと、世の中の無情さ無関心さを皮肉も交えて描いてみせる。