姉を喪った元警官で現・私立探偵の男は、事務所の方針で加害者追跡調査を担うことに。さまざまな当事者たちと出会うなかで、止まっていた時間が良くも悪くも動き出す。
たぶん原作がおもしろいからどう作ってもおもしろくなりそうな話だとは思いつつ、本筋と支線を物語性で絡めるのではなく主人公や登場人物の感情の揺らぎで高めながら同時進行で描くのが上手だった。
一度の過ちであったとしても、被害者家族や加害者家族は幸せで心を麻痺させ、加害者も悪事を重ねることで罪悪感を麻痺させる、感情を麻痺させる生き方しかできなくなることにこちらの心も絡め取られた。
主人公を演じた東出昌大さんが素晴らしい。
異次元のスタイルのよさでロングで撮った時は自然と注目してしまうし、どこかほっとけない横顔が暗い過去を背負う男としてよく似合ってた。死角なし。
ただその類まれな顔のせいで、少年期を演じた細田佳央太さんと顔が違いすぎてしまい毎度一瞬別人の物語かと思い興を削がれてしまった。仕方ないから凄惨な事件のせいで、骨格まで変わるほど衝撃を受けたのだと思うようにしてた。
骨格でいったらもうひとつ、ラストで新川優愛さんが整形してればなー、とも思う。ここでこそ特殊メイクの出番…🥺
その新川さんが違法レイプ動画を見られることを「何度も何度も殺されて」と発言するのが忘れられないセリフ。
これから何気なく違法動画を再生しようとする人は、その一押しが崖に向かって突き落とす一押しと変わらないことを自覚し、股間を萎ませてろ。
3話での篠原ゆき子さんの登場シーンにも注目。
憤りや憎しみを偽るために、努めて明るく振る舞う姿がとても自然なアプローチで素敵でした。